第29話 ページ30
太宰side
太宰「な…」
チェイサーである君が現れたという事は
裏切り者の私を消しに来たと思ったのに
まさか君が
私を連れ戻しに来るなんて
太宰「…どうして？」
鷹尾「ボスの命令だ」
太宰「…一度は私を拒んだじゃないか」
鷹尾「ボスの命令だ」
あくまで君の意思は無いというのだね
太宰「君は私が嫌いだろう？」
鷹尾「そうだな。」
太宰「何故殺さない」
鷹尾「異能が使えないからだ。」
太宰「……じゃあ。…何故、組織は私が抜けた事に数日気づかなかったのだい」
鷹尾「……」
太宰「私が抜けた夜。君と中也はすぐに森さんに報告出来たはずだ
何故、しなかった」
鷹尾「………」
太宰「チェイサーである君が、何故…
私を追わず見逃した」
中島「太宰さん、」
長いまつ毛を伏せたAが口の端を固く結ぶ
太宰「A。君はあそこにいていい人間じゃない。
私と、陽の当たる世界に＿＿＿」
バァン！
太宰「ぐっ…？！」
中島「太宰さん！！！」
肩を撃ち抜いたAは表情を変えず私に近づき
鷹尾「おちたな。異能を使わずとも殺せるようだ」
太宰「……ふふ」
私の額に拳銃を押し付けた
鷹尾「何が可笑しい」
太宰「敦君！」
中島「はい！」
太宰「異能力＿人間失格」
鷹尾「しまっt」
影絵世界から解放された敦君が彼女を地面に縫い止めた
鷹尾「異能力＿」
太宰「待つんだ。」
再び敦君を退けようと影絵世界を発動する前に
影絵世界唯一の弱点である彼女の目を片手で覆う
太宰「A。君を怒らせれば至近距離で拳銃を向ける事は予想していた」
鷹尾「……」
太宰「だけど、君に云った言葉は本心だ」
ギリリと強い怒りが伝わる歯ぎしりに敦君は怯んでいた
太宰「…私は戻らないよ。」
鷹尾「…ならばラットだ」
中島「どうして、そこまで太宰さんが抜けた事に執着するんだ」
鷹尾「…なんだと」
太宰「敦君？」
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作者名：はまち x他1人 | 作成日時：2024年3月18日 2時
