第13話 ページ14
貴女side
鷹尾「さて...」
書斎に戻り報告書を書こうと椅子に手をかければ
黒い外套が目に入った
鷹尾「...」
今日は肌寒い。
鷹尾「礼も云えてないしな、」
戻ってきたばかりの書斎を後にし
当ても無く足を進める
尾崎「A?」
鷹尾「...紅葉さん。」
ばったり出会った幹部に頭を下げる
尾崎「よい。そなたの方が古参じゃ。」
鷹尾「いえ、身分が違いますから」
尾崎「相変わらず堅いのう。...それで、何を探しておる」
鷹尾「...中也を。」
尾崎「・・・」
鷹尾「あの、紅葉さん...?」
口元を袖で隠しているが目が驚いている
尾崎「Aが中也を探すとは...
槍でも降るのかえ」
鷹尾「...大袈裟です。私と中也は不仲だとお思いで?」
中原「誰がどう見てもお前が俺を避けてンだろ」
鷹尾「...そんなつもりはないが。」
後ろからの声に振り返らず答える
中原「俺はそっちじゃねぇ」
鷹尾「私はもう少し前だ、中也。」
尾崎「ふふふ。」
中原「何が可笑しいんですか、姐さん」
尾崎「すまぬ。わっちが二人一緒の所を見るのは久しくてのう。
つい、昔のお前達を思い出した」
鷹尾「・・・」
中原「昔?」
尾崎「太宰がおった頃じゃ。」
いくら紅葉さんと云えど矢張り不快だ
尾崎「A。」
鷹尾「さて、何の事でしょうか」
尾崎「太宰は見つからんか」
鷹尾「...興味ありません。」
尾崎「見逃すのかえ」
鷹尾「掟を破った者は皆、同じ末路です。
...私も昔の事を思い出しました。
紅葉さん。貴女が昔、私の標的だった頃を。」
中原「A、」
尾崎「ふふ。怒らせるつもりはなかった、許せA。」
穏やかな表情に調子が狂う
尾崎「さ、中也を探しておったのだろう」
鷹尾「...あぁ、、そうだった」
中原「?」
静かに去っていく紅葉さんに会釈をし中也と向き合う
中原「姐さんの話は知ってたが、まさかそん時からお前が報復隊だったとはな」
鷹尾「...」
中原「ん、つーか、なんで俺を探してたんだ?」
鷹尾「...あ。」
中原「...ん?」
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はまち x他1人 | 作成日時:2024年3月18日 2時