冷たい手-1-【紫】 (ページ6)

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＿＿＿＿＿スマホが水没してから三か月

スマホは案の定直らなかったけど、バックアップしてたから何とか仕事にも影響なく
いつもと変わらない日常に戻った。

仕事に追われる毎日で、息抜きと言っても金曜の夜にコンビニでビールとおつまみを買って家で映画を見るくらい。

・・・・自分で言ってて悲しくなってきた。

もう29。

あと四か月もしたら30になる。

三十路・・・

三十路、一人、孤独

『＿＿＿わぁ！』

頭の中に浮かんだ恐怖のワードを急いで手で払いのけ、周りに人がいなかったことに安堵し
私の唯一の息抜きの為にコンビニへ入る。

やる気のない店員のお兄さんの「いらっしゃいませ～」を聞き、
いつものように缶ビールとつまみをぽいっとかごに入れる。

可愛らしさなんて一ミリもないかごの中身を見て、明日の朝ご飯にとメロンパンとミルクティーを入れた。

せめてもの女子力・・・・なんて無いか。

会計を済ませ、また店員のお兄さんのやる気のない「あざした～」を聞きながら店を出る。

「＿＿＿＿あ！」

駐車場を横切って家路につこうと歩いていると後ろで急に声がした。

「あ、あの！

＿＿＿＿Aさん！」

(！？知り合い？え？近所に会社の人は住んでなかったはずだけど・・・)

突然呼ばれた自分の名前にビクッとしながら恐る恐る振り返る。

「やっぱりそうや！Aさんっすよね！

俺、あの、琵琶湖で＿＿