冷たい手-1-【紫】 (ページ5)

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突き返されたお金をそっとポケットに戻して改めてお礼を言う。

『本当にこの度は何から何までありがとうございました。
何もお礼できず、すいません。
ちょっとへこんでたんですけど、ハマダさんとメロンパンのお陰で元気になりました！

まぁ・・・スマホはこんなですけど。笑

ありがとうございました。』

相変わらず暗い画面のままのスマホをひらひらと掲げて
ハマダさんに感謝を伝えた。

「・・・・・えっと、

あのぉ・・・
じゃぁ一つお願い聞いてもらってもいいっすか？」

頭をぽりぽりとかきながら気まずそうに聞いてくるハマダさんは私より大きいはずなのに
小さく見えて、それもなんだかおかしかった。

『ふっ。笑

何でしょうか？私にできることなら何でも！』

「・・・なまえ・・・名前、聞いてもいいっすか？」

『・・・・え、あ、名前！

えっと、Aです。』

「Aさん・・・
えっと・・・いや、あの、

やっぱ下の名前がいいっす。」

そんな目で見ないでほしい。////

『あ・・・////
A・・・です。』

「Aさん！
可愛い名前っすね！笑」

か、可愛い？！////

『////
じゃ、じゃぁ私はこれで。
ほんとにありがとうございました！』

もう何度目になるかわからない感謝の言葉を言って私はその場をあとにした。

後ろの方で何か聞こえたが、今の私の顔を見られるのが恥ずかしくて振り向くことができなかった。

ビックリしたぁ・・・可愛いとか急に言うし(まぁ名前がっていうのはわかってるけど)///

ハマダさん。・・・・・・私も下の名前聞けばよかったなぁ。

まぁ、もう会うこともないか・・・