日常 2 ページ2
だが、Aは俺が予想したよりも俺を好いてくれていた。
俺がどんな態度を取っても容認してくれたのだ。
Aの態度に、ついに俺は我慢できなくなり、自分の本当の気持ちを告白した。
「詳しい理由は言えないけれど、俺は長くは生きられない。きっと、手前を置いて先に死ぬ。それでもいいなら、俺と結婚してくれ」
随分前の話だ。
「小っちゃいって、いつ頃のだよ」
「ううん、十歳ぐらいかしら」
「ガキ」
「自分のことじゃない。中也ちゃん、あの頃から帽子が好きだったのね」
「帽子は俺のアイディンティティだぜ?」
「いつも言っているわね。ね、私、アルバム見ていたら一つ気付いたのだけれど」
「あン?」
「中也ちゃん、良く包帯巻いた子と一緒にいるわね、あの子はだあれ?」
……………………太宰だ。
確かめる間もない、十歳前後の俺にまとわりつく包帯野郎。
そんなの、あいつ以外に存在しない。
「中也ちゃん? 顔色が悪いわ、もしかして、聞かれたくないことだった?」
「……まぁ」
「そう、じゃあ、聞かないわ。ごめんなさい。……ビール、おかわりいる?」
「頼む」
「はぁい」
にっこり笑って席を立つ彼女。
こういうとき、俺は彼女に無理をさせているようでならない。
だけど、俺にはどうしようもないのだ。
Aが俺をマフィアだと知ったら、きっと逃げてしまうから。
俺は、自分の職業を隠し通さなければならない。
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通りすがりのお節介。 - オリジナルフラグを外し忘れてはいませんか?
あと設定キーワードのとこ、正しくは『文豪ストレイドッグス』だと思いますよ?(^_^;) (2018年3月6日 11時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宮 | 作成日時:2016年8月22日 22時