ナイトとツンデレ (ページ6)

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ナイトとツンデレ5 ページ6

＿＿姉さん…ね。
(人1)は顔を俯けて静かに考えていた。
確かに昔はなんでも話していたし何より大好きな姉だった。
時には叱ってくれたし、優しくてとてもいい姉だった。

＿＿なのに…。

2年前に両親が亡くなって姉が(人1)の面倒を見てくれるようになった。
それから姉は怒りもせずただ(人1)を甘やかすようになっていった。
(人1)はそれが気に入らずたびたび姉と意見の衝突を起こすようになっていった。

(私だって強くなったわよ…それに姉さんはモデルをやめてまで私を育ててくれてる。
そんなのわかってる…だったらどうして…)

『夢を諦めてまで私をこの世界に残したかったの…？だったら怒ったりしてくれた方がまだ納得出来るわよ…』

静かに呟いた(人1)の声が泉に届く事はない。
姉の事は大好きだと思う。だが嫌い。
こんな矛盾を2年も心の内に秘めてきた。

(この性格も、強くなろうともがいてるだけ。
瀬名に当たったのも…それを否定されたくなかったから…？)

心にぽっかりと穴が空いたような感覚にとらわれ、ふと思った。
自分のやってきた事は間違っている…？
やがてそれは焦りに変わり(人1)は椅子をガタッと鳴らし扉へと歩き出す。

『どうしたわけぇ？』

『…用事を思い出した。
レオには…また連絡するって言ってて…ごめんなさい。』

そう言い残すと早足に教室を出ていった(人1)。

『ごめんって…謝るとかガラじゃないくせに。』