ナイトとツンデレ (ページ32)

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ナイトとツンデレ31 ページ32

『お、(人1)ちゃんにレオくん。
予定より遅かったね～？まぁ(人1)ちゃんが連絡入れてくれてたから全然いいけどね～！』

わっはははと笑って済ますレオとは違いぺこぺこと頭を下げる(人1)。
あまりにも謝る気がないレオの頭をバシバシと叩きながらも頭を下げていた。

『いいっていいって、この後は予定もないからね！
じゃあ2人とも衣装に着替えて来てくれるかな～？部屋に用意してあるから。』

そう言われてレオが別室に連れていかれ、(人1)も用意された部屋へと向かった。
そこに用意されていた服は…

『ウ、ウエディングドレス…？』

ウエディングドレスに近い形のドレスは純白という言葉が似合う白さで同じく純白の長い手袋、そしてガラスの透明な靴にきらびやかな宝石をあしらった装飾品。

『こ、こんなの私に似合うわけないわ…』

『そーんなことないわよっ！
さあさあ早いとこ済ませちゃいましょ！』

いつものマネージャーに服を着替えさせらされていつの間にかドレスを着ている(人1)は鏡に映る自分を見て顔を赤くする。

(こ、これが私!?冗談じゃないわよ…！)

などと考えていると次はメイク担当の人にイスに座らせられ、大人しくせざるを得ない。

『貴方はもとが良いからお化粧映えするわね～』

そう言って薄く化粧をされて、元々深い黄金の金髪にはラメパウダーを散らして輝きを一層増して仕上げに胸元や頬にもラメパウダーを散らす。

『はい、出来上がりよ～。
すっっごくかわいいわ～なんだかいつもの(人1)ちゃんの3倍ってとこね！』

そう言われて鏡を見るとそこには…。
まるで黄金を鋳溶かしたかのような深い金髪に蒼い瞳、純白のドレスにも負けないくらい白い雪のような肌、そして顔にはほんのりぴんくのチークが塗られて花のような唇にはぴんくのグロス。
どこをどうとっても凄絶な美しさをもつ姫君のようだ。

(外見が良くても中身がこんな私だから、ね)

自虐気味に評価して着替え終わっているであろうレオのまつスタジオへと向かおうとする。
優雅に椅子から立ち上がり髪をなびかせた瞬間、ぴりりっと足に激痛が走る。

『………。』

けれど何事もないように振る舞う(人1)の足の痛みに気付くものはいなかった。