200.「ハロー」それだけ ページ10
.
.
彩音「つきあ……っっった…っ…？」
「……はい。」
.
.
12月25日。クリスマスという日の朝。
今日が終業式の私たちはいつも通りに学校に登校。ゲタ箱でたまたま会った彩音に昨日のことを報告すれば
バタン！とゲタ箱を思い切り彩音が動揺して閉める音がして、目が覚めた。
.
.
彩音「いやちょっと待って。だってA、付き合ってる人いた……よね？」
「えと……、それは…その」
彩音「わかった！わかったわかった、分かったから。理由があるのね、察した私察した！」
.
彩音は声を出そうとした私を手で制御して、靴を履き替えた。
バタン！とまた閉まる音がして、少しだけ肩を震わせた。
既に靴を履き替えていた私と彩音で、歩幅を合わせながら教室へと向かっていく。
.
彩音「それで？なんて言われたの？」
「愛おしい、っ…て…」
彩音「王子様か！それから？」
「………、…えと…」
彩音「ちょ、まさか…」
.
彩音「ちゅーした……？！」
.
トン、と彩音が歩きをやめる。そんな彩音を振り返ってから見つめて。
昨日の近すぎる、近すぎて逆に見えなかった二宮くんの顔を思い出して、ボン！と顔が赤くなる。
.
彩音はそんな私をいとも簡単に汲み取った。
パタパタと彩音が私の隣に走ってやって来る。
.
.
彩音「それで！そのあとは！？」
「……ギターを…弾いてもらった」
彩音「何弾いてもらったの」
「スピッツ」
彩音「空も飛べちゃったのね」
「スターゲイザーって曲だもん」
彩音「いやごめん知らない」
.
.
彩音はそう言って、教室の扉に手をかける。でもその前に。扉を開ける前に
「サンタさんから最高のプレゼントもらったね」
と私の方を振り返って、ニカっと笑った。
.
ガラガラ、と扉を開けたらいつもの景色。
窓際一番端の、一番後ろ。いつものように机に顔を突っ伏している彼がいる。
「いつも」だけど、「いつも」じゃない。
.
.
パタパタ、と二宮くんの方へと走る。
.
だって、ほら。
.
.
「お、おはよう！二宮くん」
和也「おはよ、委員長」
.
.
「おはよう」
ただの挨拶がキラキラに染まる。
.
.
201.彼女という存在…side S→←199.Kiss so sweet
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
