ACT41 ページ45
ht｢………………マンちゃん｣
os｢ん〜？何？｣
ht｢何これ｣
os｢ケーキめぅ！今までで1番の出来めぅ！｣
ht｢…誰が食べるのこれ｣
os｢勿論Aが｣
ht｢全部？｣
os｢…………｣
ht｢マンちゃん……張り切りすぎ｣
os｢無理か！これ！｣
ht｢うん無理｣
突如として現れたテーブルの上に聳え立つ狂気の甘味山脈。
惜しげも無く乗せられたひとらんの農園で採れた果物、雪を思わせるかのようなホイップクリーム、これもひとらんの農園で採れた小麦を使った上質なスポンジ。
何もかも100点満点のオスマン渾身のケーキは標高3メートル、ため息の出るような威圧感を放っていた。
os｢んー、我ながら傑作……｣
ht｢いやほんとに、後で写真撮っていい？｣
os｢勿論、あーA呼んで来なきゃ｣
ht｢シッマに伝えといてって言ってあるよ｣
os｢おっありがとちゅっ｣
ht｢きっしょ｣
つれないなと言葉に出せば鼻で笑われる。
zm｢なんだびっくりしただけかぁ！そうかそうか！｣
shp｢クソ先輩が姑息ムーブするから……はー、マジクソ先輩｣
sho｢姑息ムーブしてもガバッて捕まるもんな！｣
kn｢お前は煽って捕まっとるやんけ！｣
sho｢姑息ムーブよりマシです〜｣
kn｢なんやと！｣
そんな騒がしい声達が近づいているのに気づき、ドアを小さく開け、部屋の中を見せないようにするりと廊下に出た。
os｢シッマ、連れてきてくれたん？ありがとめぅ〜｣
kn｢(少しでもAの腹を満たすためだから)かまへんよ｣
sho｢行間見え見えで草｣
zm｢心が無い｣
そんな煽りでまたキャンキャン騒がれる。それを無視してAに目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
os｢あんな、びっくりさせたいから良いよって言うまで目閉じててくれへん？｣
『？良いよ』
os｢お、元と違って素直やな、いい子いい子｣
と頭を撫でると湿った感覚がした。シャワーでもしたんかと思いゾムに聞けばシッマがガバッて井戸に落としたと返答してきた。よく見ればシッマも全身ずぶ濡れで、どういうガバり方したんやろうと首を傾げた。
os｢はいじゃあ目え閉じるめぅ〜｣
『ん』
os｢こっちこっち｣
Aの手を引いて中にはいる。後ろの三人は中のものが見えたのか先程の騒がしい声から困惑の声に変わった。
os｢良いよ｣
後ろの保護者達の声が聞こえなくなって不安になったのか、恐る恐るAは目を開けた。彼女の目に狂気の甘味山脈が映った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃんとららんらん | 作成日時：2019年6月14日 13時
