【wrwrd】HelloAssassins! 【軍パロ】 (ページ28)

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ACT26 ページ28

甘い。

ただ砂糖を摂取して甘い、という単純な味覚でなく甘さの中に苦味や酸味、中には甘味の中にさらに甘味がある。食べても食べても飽きないようになっていた。箸休めにパスタやカレー、サンドイッチなどの食事も頬張る。今まで食事に無頓着であったAにとって、様々な趣向を凝らした菓子達に溺れるのは時間の問題であった。

gr｢良い食いっぷりだゾ～｣

os｢食べるペースと量が女の子じゃない…｣

喧しい外野が、と言葉にする時間が惜しい程に舌は次の甘味を欲していた。皿の上から菓子がなくなりまた取りに行こうと立ち上がった瞬間にAはやっと胃が限界を既に越していることに気がついた。そのまま力なく座り直した。

gr｢お、どうした、終わりか？｣

os｢普通に食いすぎめぅ、大丈夫？｣

『別に？問題無い』

os｢そうは言っても顔に出てるよ、休んどき｣

『……しゃぁねぇな』

gr｢どうだ？俺のおすすめのスイーツバイキングは｣

『まぁまぁだな、腹の足しになる』

gr｢あんな美味そうに食べてそんな感想が出るとは中々強情な奴だな｣

『そ、そんな顔はしてない』

os｢してたしてた、こんな美味しいもの生まれて初めて～！幸せ～！って顔｣

『してねぇったらしてねぇよ！』

gr｢お前最近女子力上がってるな｣

os｢女子力というか女子化？｣

『刺殺すぞ』

os｢おぉ怖い怖い、女の子がこんな危ないもの持ってちゃいけないよ｣

『るせーな、ナイフに男も女も関係ねーだろ』

そうだねと肯定の言葉を言いながらAからナイフを取り上げ、その手をとった。

os｢でもね、今までこんな所に居なかったから分からないと思うけど、こんなあどけない女の子がこれを人に向けるのって、結構異常なんだよ。だってここにはこれを向けるような敵も脅威も何も無い、安心安全な場所だから｣

『安心安全』

あっけらかんと返す彼女を邪悪な高笑いでグルッペンは笑い飛ばした。

gr｢そりゃあそうだろう、俺の暗殺を依頼される元凄腕の暗殺者だからな。真っ当な人生なわけないだろうな！｣

os｢グルッペン｣

gr｢…そうだな、流石に言いすぎたか。｣

『ホントの事だからな、気にしてねぇよ、別に』

そう言ったAの顔を覗き、悲しげにオスマンは笑う。

os｢やっぱり顔に出やすいね、君は｣

この言葉を最後に、甘味好き三人のスイーツバイキングは終わった。