【wrwrd】HelloAssassins! 【軍パロ】 (ページ15)

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ACT14 ページ15

そっと部屋から出る。そこには長い廊下が続き、窓から太陽の光が差し込んでいる。どこかで小鳥の歌声も聞こえ、絵に書いたような朝に惚けてしまう。

先程出すものを出したのですっかり腹が減っていた。と言っても、お腹に優しいものを食べなくては腹に負担だろうとそんなことを考えながら歩き出した。

途中途中でこの建物の地図らしき紙が張り出されていたが、教養のない彼女にはいまいち分からなかった。どちらが北で南か、左右は分かるが東西が分からない。部屋に名前がついているが読めない。

適当に歩けばいつか食堂に着くだろう。練り歩いて自分なりの地図を作ればいい。

と、地図から離れて、食堂とは真逆の方向に歩き出した。

足音が廊下に響く。

誰かが歩いてれば、すぐにどこにいるか分かるくらいな響き方。裏切り者や侵入者を暗殺するのにはもってこいな構造になっている。

『よく考えられてる。』

そう呟き、振り向く。

『いつまで後をつけるつもりかな書記長』

tn｢気づかれとったか｣

『あんたのブーツ、よく響くもんでな。でも俺と足音を重ねる技術は大したもんだぜ。』

tn｢まぁそれくらいはな、ここの幹部は大半がやれて当然やからな。｣

『はーん、やるねぇ……で？なんでつけてきた。』

tn｢……正直まだあんたを疑っている。｣

『……。』

tn｢で、さっき地図確認して食堂に行かんで変な方向に歩き出したからな。不審な行動と捉え、つけてきた、それだけや｣

『あぁ、成程。そりゃ怪しく見えるわな』

と、ボリボリと頭を掻く。

『俺、文字読めねーんだわ、食堂に連れてってもらえねぇか、書記長さんよ』

一瞬彼は驚きの表情を見せたが、それはすぐに消え去り代わりに哀れみを含んだような顔を見せた。

tn｢……こっちやで。歩く方向が真逆。｣

『ありがとよ』

彼の品のいいブーツの足音について行った。