【wrwrd】HelloAssassins! 【軍パロ】 (ページ13)

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ACT12 ページ13

5件目の〇クド。

コースはちょいちょい変えたが、流石元雇われ傭兵。胃袋の頑丈さが女の子じゃなかった。

大先生の財布スって使ったけどもうそろそろ尽きてしまう、と自分の財布を確認し始める。

『……うま………………ぐ』

そんな呻き声が聞こえ弾けるように彼女を見やると、食べるペースは衰えていないが、涙を浮かべているのが見える。

やっとか。

口の中でそう呟く。

zm｢お？まだ、まだ行けるよな？な？俺の分あげよか？｣

そう声をかけるが、反応があまりない。やりすぎたかと、一瞬罪の意識が背筋を走る。

『ん……いや、な……どこまで行ったらお腹いっぱいかなぁってな』

zm｢……はぁ？｣

あんまりな発言に間抜けな声を出してしまう。
彼女は食いかけのハンバーガーをしみじみと見つめながらこう続けた。

『俺よォ、腹いっぱい飯食ったことないんだよ。こんな腹がはち切れんばかりに食って吐きそうになるとか、初めてなんだよ。……もしかして腹いっぱい通り越してるか？だったら笑いもんだなぁおい。ヴェ』

本来なら青い顔も、途中で寄った居酒屋の酒のせいでほんのりまだ赤い。

zm｢……笑いもんやな、苦しいなら苦しいって言えばええやんけ｣

『…苦しいとかな…………言わない。んん、辛いとかもな、言わない…………いや、言えなかった。言えなかったんだ。』

そこまで言うと、彼女は貯めていた涙のダムを決壊させた。

彼の望み通り、涙を零しながら苦しそうにハンバーガーを頬張った。

しかし彼は、不思議といつもの楽しさが込みあげなかった。

ほろほろ涙を流す彼女の頭をくしゃくしゃと撫でながら、そうか、としか言葉を零せなかった。

こんな女の子が雇われの傭兵をやってたんだ。

本物の狂人でない限り、辛いものが無いわけがない。

彼女の心の平穏が訪れて、泣きながらも、もう一日が過ぎてしまった。