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16話 ページ17

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キヨが何かいいかけた時
その言葉を遮ってやってきたのは
この前のあの女の子だった

小走りでキヨに駆け寄ると
腕にぎゅっとしがみつくその仕草

あぁ、きっと男の人はこういう女の子に
弱いんだろうな・・・


またモヤっとした感情が湧き上がる



「お前、やめろって!」


「キヨ、職員室入らないのぉ?」


「ちょっと待てって!
A!この後ー」





「Aちゃ〜ん!」



次から次へと・・・


声のした方に顔を向けるとフジが心配そうにやってきて
私の目の前にいたキヨを見て怪訝そうな表情をした


「用事終わった?」


覗き込むように私の顔を見る


『あ、うん・・・』



キヨは何か言いたそうにこちらを見ていたが
チッと小さく舌打ちをし職員室へ入って行った



「じゃ、行こっか」


そう言い歩き出したフジに着いて行く

無言で何か考えているようなフジに
少し気まずさを感じ話題を作る


『も、もうすぐテストだねぇ、』


「え、あ、うん、そーだね」


『まぁ、フジは勉強しなくても点数いいんだろうけど』


「そんなことないよ」


話してみるといつものフジで少し安堵した

下駄箱に着き扉を開く
いつもこの瞬間だけは緊張する
何か得体の知れないものが入っていたらと思うと
さすがにゾッとする
中を確認して靴だけが入っているのを見ると
ふぅっと息を小さく吐き出した

今日は何も取られなかったし
変な手紙は無かったようだ



学校の校門を出た頃
深刻そうに考え込んでいたフジが口を開いた



「Aちゃんさ、また嫌がらせされてるでしょ?」


『え・・・な、んで?』



やっぱり私の顔は分かりやすいのだろうか
近くにいる人には全部バレバレのようだ


「何年一緒にいると思ってんの?」


『・・・・・』


「それにさっきも下駄箱開けて
何も入ってなくて安心してたでしょ?」


『・・・フジにはバレちゃうかぁ』


観念して事の真相を話した

ストーカーや嫌がらせは
初めてじゃないってフジも分かってるし
軽く流そうと話を進める


「困ったらなんでも言ってね、
とりあえず毎日一緒に帰るし
学校でも出来るだけ近くにいるから」


『はいはい、大丈夫よ〜』


笑顔でフジを見れば困ったようにため息をつく
そんな優しいフジが好き
このままキヨには近づかないようにして
ストーカーが沈静化するのを待つしかない


「そう言えばAちゃんってキヨと仲良いの?」



『ん?』





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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます!更新遅めですが頑張って行きたいと思います! (2017年12月15日 15時) (レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい!更新頑張ってください! (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおみ | 作成日時:2017年12月7日 0時

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