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17話 ページ18

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『フジ、キヨの事知ってるの?』



「知ってるも何も有名人じゃん」



『え?』



キヨが有名人?
キョトンと首を傾げフジの言葉を待つ
だけど次の言葉は
後ろから聞こえた声によって遮られた






「おい!!」




振り向くと両手を膝に置き息を切らす
キヨがいた



『キヨ?!なんで?!』


キヨは私には目もくれずズカズカと
フジの方へ歩いていく


「わりィ、ちょっとコイツ貸してくんない?」


「え・・・?」


キヨは私を指差し人にものを頼む態度と思えないほど
高圧的な姿勢でフジを見下ろす
フジもまさかの言葉に私とキヨを交互に見た
しばらくして小さくため息を着くと

「ちゃんと家まで送ってね」

と一言言い残して手を小さく降って帰ってしまった


取り残された私は呆然と立ち尽くす
隣に視線を移すと
大きく深呼吸をしたキヨが


「じゃ、行くか!」

と、当たり前のように歩き出した

しばらくすると話があると言うので
公園のベンチに座った



「・・・お前、アイツと付き合ってんのか?」


『は?!なんでそーなんの?!
全然違うしっ!』


確かにフジといつも一緒にいるし
好きだけど、そー言うのではない!

断じてない!


「そーなの?
あっちは満更じゃなさそーだけどな」


私の全力の否定に笑うキヨは
いつものキヨで
その笑顔にやっぱりときめいてしまう


「まぁ、なんだ・・・その・・・
この前のは本当悪かった」


言いづらそうに言ってきたのは謝罪の言葉
いつも人をおちょくる強引な彼だけど
こう言うところはしっかりしてるんだな、
と感心してしまった


「関係ないって言うけど
お前が辛そうにしてたりするとやっぱ
力になりてぇからさ、俺にも相談してほしい」


この人はきっと人のために自分を犠牲にする人だ
素直にそう思った


そして今日2度目の話をゆっくりと始めた









「ふ〜〜ん・・・警察とかには?」


『警察はねぇ、ダメなんだ』


「なんで?」


『最初の頃は相談とかもしてたんだけど
あまりに多いから“またあなたですか”って最近は』


「なんだそれ」


『慣れてるから大丈夫』


言い聞かすように何度も言うこの言葉

警察も先生もアテにはならない
結局自分を守るのは自分ってコト


キヨは怪訝そうに私を見つめる
その顔に私は笑顔を向けさっと立ち上がる


『さ、帰ろ!』


何か言いたげなキヨの腕を引っ張り立たせると
さぁ、と背中を押し歩き出した






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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます!更新遅めですが頑張って行きたいと思います! (2017年12月15日 15時) (レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい!更新頑張ってください! (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおみ | 作成日時:2017年12月7日 0時

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