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10話 ページ11

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一通り仕事が終わり
閉館時間となった図書室を閉め
図書委員の仕事は終わった


キヨはどこへ行ったのかと
少しキョロキョロと見渡すが姿はない

夕暮れの階段を降り
静まり返った下駄箱に着く
下校時刻と言うこともあり
外でチラホラと部活の片付けをしている生徒のみ
もしかしたら外にいるかもしれないと思い
靴を出そうと下駄箱を開ける


って、なんか私が一緒に帰りたいみたいじゃん!




『ん?』



下駄箱に1枚の手紙があるのを見つけた


『・・・・・』


“Aさんへ”と書かれた
少し厚めのその手紙を手に取る

これは、学生だったら誰もが心踊る
噂のアレだろうか・・・?

しかしこのシチュエーションに
慣れてしまった私には
なんのトキメキもワクワクも感じない
きっとまた呼び出されて名前も知らない相手から
一方的に思いを告げられるのだろうか・・・?

手紙の後ろ側を見ると差出人が書いてない

不審に思い中身を取り出してみる


『!!』


数枚の写真と手紙が1枚




あぁ、



“コッチ”の人か・・・





ラブレターも慣れていたが
ストーカーにも慣れていた

私個人の写真が数枚と
キヨと一緒に写った写真が数枚
手紙にはパソコンで打ち込まれたような活字で
“この男に近づくな”
と一言



「何してんの?」


急に後ろから声が聞こえ
ビクっと肩が跳ねる
咄嗟に写真と手紙を後ろに隠し
くるりと声の主の方に向き直る


『キ、キヨ・・・』


「・・・なんか見てた?」


『いや、別に、なにも?』



キヨは疑わしそうな目つきで私の顔を見つめる


『〜〜っ、ほら!帰るんでしょ!』



力任せに後ろを向かせ背中を押す
その間に急いで持っていた手紙を
ぐしゃりとカバンの中に突っ込んだ
キヨはう〜ん、と納得いかない表情をしていたが
当の本人にはこの事は知らせない方がいいだろう



夕暮れの学校を肩を並べて歩く2人


この時私はキヨにこの事を隠すのを必死で
その後ろ姿をじっと見つめる視線が
あったことに気付きもしなかった





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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます!更新遅めですが頑張って行きたいと思います! (2017年12月15日 15時) (レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい!更新頑張ってください! (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおみ | 作成日時:2017年12月7日 0時

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