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百三十の感情 ページ15

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「この羽織に見覚えはないか!!」





そう私が憎しみを込めるように言えば、


鬼は、首を傾げた後、

何かを思い出したかのように口を開いた








「ああ!花の呼吸を使ってた女の子かな?優しくて可愛い子だったなあ。朝日が昇って喰べ損ねた子だよ。覚えてる。ちゃんと喰べてあげたかっ…」









我慢ならなかった私は、

鬼が喋り終わる前に、鬼の目に一突き入れた









「蟲の呼吸、峰牙ノ舞 "真靡き"まなびき()






「すごい突きだね。手で止められなかった」









そうまた呑気に言う鬼は、

血鬼術を放つ









「血鬼術 蓮葉氷(すすはごおり)









私はすぐさま距離をとり、

体制を取り直すが、


肺を裂くような冷たい空気が私を襲った








「不憫だなあ…」






鬼がそう言う中、

私は一回刀を鞘に収めて、調合する


その瞬間、

目の前にいた鬼は、

その場で膝を着いて苦しそうに呻いた



毒が効いてきたみたいだ…








「(この毒が上弦に通用するかどうか…っ)」








そう眉を寄せ、

鬼の状態を伺うが、









「あれぇ?毒、分解できちゃったみたいだなあ…!ごめんねえ」








せっかく使ってくれたのに、

、と嘲笑いながら鬼は言った









「(……まだこのあたりまでは想定内だ…)」








そう思った後、

次の攻撃へと移るため、刀を鞘から抜いた









_________
______
_









「うーん、五回目。これも駄目だね、効かないや」




何度やっても分解される毒…。




これが上弦の強さ…

悉く毒が効かない


体制がつくまでの早さが異常だ




私の息も、だんだんと続かなくなってきた…









「肺胞が壊死してるからつらいよね。さっき俺の血鬼術 吸っちゃったからかな?」







そう言って鬼は、

扇を広げたまま、自分の口元に寄せた




そんなヤツに、私はまた攻撃を仕掛けようとする





が、









「あっ!そうそう!君さ、Aちゃんっていう子、知らない?」









その鬼の発言に、

思わず足を止めてしまう




なんでここで星埜谷さんの名前を…







そう思う私を見て、

鬼はまた怪しく笑った







.

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いちご飴 - とっても面白いお話ですね!更新がんばってください!応援してます! (2020年6月5日 1時) (レス) id: 277b9199de (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くていっきにすべて読んでしまいました! 更新頑張ってください!! 楽しみにしています! (2020年5月20日 20時) (レス) id: bdd41f57a7 (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 久しぶりの更新とても嬉しいです!!! 今か今かと心待ちにしておりました!! これからもずっと応援させて頂きます!! (2020年4月17日 18時) (レス) id: d8cf0d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
雪もち - とても面白く拝見させて頂きました!更新楽しみにしています! (2020年3月31日 13時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
かかす(プロフ) - それぞれのキャラの性格がしっかり掴めていてすごいと思いました!応援してます (2020年3月24日 23時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牡丹 | 作成日時:2020年3月4日 10時

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