【参】感情ヲ捨テタ一人ノ柱ハ…【鬼滅の刃】

百四の感情 ページ28

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「…星埜谷さんは優しいですよ」





私の耳に優しく響く炭治郎の声…

炭治郎の言葉に、私は大きく目を見開いた






「星埜谷さんからはいつも ほのかに“憂慮”の香りがしました

俺や禰豆子、善逸や伊之助…、そして仲間に対しての憂慮……」






そう言って、炭治郎は自分の胸に手を当てた






「それで思ったんです。“あ、この人は優しい人なんだな”って」


「っ……、」


「星埜谷さんは、いつも仲間を想っていたんです」


「ちが…う…っ」





私がそう否定すると、

炭治郎はゆっくり首を横に振った







「俺にとって本当の優しさは、

人に気づかれないように、想い、考え、支えていくことだと思うんです」



「……」


「冨岡さんのことも、それと一緒です…。星埜谷さんは冨岡さんを思って、俺一人に行かせようとしたんですよね」







そう言うと、炭治郎はクスッと笑って、







「ほら、やっぱり星埜谷さんは優しい人です！」







暖かい笑みを私に向け、そう言った







「それに、優しくなりたいと思う人は、優しいんだと思いますよ」


「っ……」








炭治郎はそう言い、

私の手に、自身の手を優しく重ねた








「星埜谷さんが思っている以上に、貴方はとても優しい人なんですよ」


「…ッう…ぅ」







まるでトドメを刺さすかのように、

炭治郎の言葉が、私を突き刺した



そして、私の目からとめどなく溢れてくる涙を

炭治郎は優しく拭き取ってくれた







「一緒に義勇さんを説得しに行きましょう…？

今の星埜谷さんなら大丈夫ですから」


「……っ (ｺｸｯ」







やはり炭治郎は強くて優しい子だ


そんな炭治郎に、私は弱い






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