【参】感情ヲ捨テタ一人ノ柱ハ…【鬼滅の刃】

九十五の感情 ページ17

.







「申し訳ありません 穴があったら入りたいです」





そう言って、床に額を着けるように、

ものすごい勢いで頭を下げた蜜璃






「…星埜谷様は、なにか御存じですか？」


「…えっ」





あまね様の問に私は声を漏らしたあと、戦いの時の状況を思い返した



確かにあの時は、気持ちが高ぶって…

何かがぐあー…って込み上げてきて…、それでグッと刀を握っていて…

心臓がとび出そうなくらいにバクバク音が鳴って…






「(ダメだ…、炭治郎や蜜璃と同じような説明になる…)」





でも、その前にあったことは…







「…走馬灯、と言うのでしょうか」






私の一言に、周りは耳を傾けた






「もうダメだ…、そう思った時に…今までの思い出や記憶が、

走馬灯のように頭の中に駆け巡りました

それで…、大切なことを思い出して…、
抗おうと…、偽りの自分を抗おうと思ったんです

その時に、一気に体温が上がって…、心臓がバックバクで…
があああって気持ちが高ぶって…、それで…それで…っ」







必死に思い出そうと、言葉を出そうとする


そして、ハッと我に返った

周りを見ると、

柱の人たちや、あまね様たちは蜜璃の時と同じように目を点にしていた



その周りの様子に、顔が熱くなり、

バッと頭を下げた







「も、申し訳ございません…」





私がそう言うと、

誰かが私の背中をポンっと優しく叩いた





「痣というものに自覚はありません、でしたが、

あの時の先頭を思い出してみた時に、思い当たること いつもと違うことがいくつかありました」






そう告げたのは、私の隣にいた時透くんだった

チラッと時透くんの方へ顔を向ける、

私の背中には、時透くんの手…


すぐさま頭を上げて、姿勢を正した





「その条件を満たせば恐らくみんな痣が浮き出す

今からその方法を御伝えします」






.

※これまた必読願います。→←九十四の感情

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す