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48 惚気 ページ2

猗窩座視点

今宵も今宵とて月の元独り鍛錬に浸る。

日中は廃屋に隠れ、夜は人を喰い誕練をする、
それを繰り返す日々だ。

勿論今宵も。いつもと同じ森でいつも通り…

ベベンッ!

「やぁ、猗窩座殿。随分と久しいなぁ。」

…とはいか無いようだ。

…童磨。

此奴と居て良いことがあるか。
いや、無いであろう。確実に即答できる。

「…何の用だ。」

軽く睨むが反応は無し。いつも通り笑んでいる。
気付いてないのか、どうでも良いのか。

「冷たいなぁ。聞きたいことがあって。」

「早くしろ。」

俺は早く人を喰いに行きたいんだ。
本当にムカつく。

「そう怒らないでよ。
 わざわざ会いに来てやったんだぜ?」

「わざわざ来るな。」

その憎たらしい顔を笑えないようにしてやろうか。
何故俺より強いんだ…?

「まあまあ、でさ、3年位前に…
 稀血の人が沢山いる村で、
 猗窩座殿の攻撃を避けた女の娘覚えてる?」

「…Aか。」

勿論だ。
あの繊細な表情まで
かつて無い程まぶたの裏に焼き付いている。

見つけたのだろうか。では、鬼に…

「そう、A。
 それでね、Aの事を考えると…
 胸が痛むんだ。どうしてだろう?
 無性に会いたくなって凄く不快で…」

…煩い。
いつかの様に口から上を飛ばす。

そうか、感情が無いから分からないのか。
俺は生憎此奴の惚気話を聞いて居られる程、
よく出来た思考の持ち主では無い。

それは、“恋”なのだが。

関係ないが当時とは色の違う羽織りを羽織っている。
というが、上の方の藍色が抜けたというだけ。
対して差は…

「…まだ話途中だよ?
 それで、Aと会った猗窩座殿なら
 この気持ち?が、何かわかるかと思って…」

最初、本当に冷たい声がしたのは気のせいだと思う。
思考を凍り付かせる程の声。

純粋な恐怖が頭を支配する。が、俺は。

「知るか。暇があったら
 信者の話でも聞いとけ。」

「酷いなぁ。俺は切実だぜ?
 良いや、またね。」

…此奴は嵐のようだ。俺は好まん、二度と来るな。

…自身、Aを鬼にしたくはあるが
それ以上でもそれ以下でも無い訳で。

それを大前提として考えると、
まぁ…どうでも良いが2人はお似合いだとも思う。
冷たさ、感情、表情、思考。
どれをとってもある程度は似ているからだ。

…それと好かれているかは全く別だが。

夜を仰げば見える月。

何故か、自分が童磨(彼奴)よりも孤独である気がした。
そう思えてならなかった。

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実弥 - 更新ファイト! (2021年1月7日 19時) (レス) id: be651dffc3 (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 面白いです。これからも、頑張ってください!応援してます。続きが楽しみです!首を長くして待ってます! (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - コノハさん» 閲覧有難う御座います!頑張ります。 (2020年8月10日 19時) (レス) id: 869122460a (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - はやくどうまさんとあかざにあってみたいです。 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
覇戮。 - みすずさん» コメント、有難うございます!今日から更新再開していきます、宜しくお願い致します! (2020年8月7日 2時) (レス) id: 869122460a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:覇戮。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hal0-0/  
作成日時:2020年5月20日 12時

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