Ep.10 ページ10
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「 よし、できた 」
「 おー 」
すっかり季節は春真っ只中。
寒くないキッチンほど快適なものはない。
出勤前にお弁当を詰める私を眺めるのは、寝癖付きの銀時さん。
「 女のエプロン姿久しぶりに見たわ...悪くねぇな 」
「 セクハラですか?訴えますよ? 」
相変わらずこの人は...
イマイチ掴みどころのない彼は今朝も何を考えているのやら。
呆れた風に返せば、後ろにスーツ姿の土方さんが見える。
「 よかったらこれ食べてください 」
「 さんきゅ 」
夜勤があるお仕事なのか、彼とは今まであまり顔を合わせなかった。しかし、お弁当を渡せば短い返事。このシェアハウスで1番の常識人...いや、感覚が麻痺してしまっているのか。
「 おいA、置いてかれてぇのかィ 」
「 あっ、待って今行く! 」
玄関先で響くのは総悟君の声。
届く大きさの声で返事をすれば、ソファーでくつろぐ神威さんがクスクスと笑った。
「 あんなに犬猿の仲だったのにね。いつの間に仲良くなったの? 」
「 犬猿って...ついでの荷物持ちに借り出されてるだけですよ 」
確かに最初の頃よりは総悟くんから話しかけてくれるようにはなったけど。不思議そうに首を傾げれば、「うんうん」といつもの笑顔で頷く。
「 そうだ、神威さんもお弁当。良かったら 」
「 俺はいいや 」
食べることが好きな神威さんにお弁当を返され少し困惑してしまう。
「 あっ、ごめんなさい。手作りとか苦手なタイプでした...? 」
「 そういうわけじゃなくて、昼は寝てるからサ 」
「 んじゃ、俺が貰うわ 」
なるほどと納得していれば、私の手の中で行き場の無くなったお弁当は銀時さんがひょいと取る。
そう言えば、神威さんの職業って...?
このシェアハウスに来て1ヶ月が経とうとしているけど、まだまだ知らないことはたくさんあるものだ。
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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
粥 - 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時