Ep.15 ページ15
.
「 でっけー声出すんじゃねぇよ。何時だと思ってんだ 」
私の悲鳴をまるで蚊でも払うかのように。
タオルを抱き込み、隠すようにその場へとしゃがみ込む。
「 ちょっ、ちょっちょっ、ちょっと! なにしてるんですか!?はやく出てくださいよ!」
「 なに今更純情ぶってんだよ。男5人と生活してる癖して 」
「 す、好きで暮らしてるわけないでしょ!特に貴方が1番困りものなんですよ!」
此方がこんなに顔を赤くしていると言うのに。上裸の銀時さんは顔色ひとつ変えず、私と目線を合わせるように屈む。
「 えーひっどーい、銀さんは結構良いと思ってるんだけどなぁ。例えば... 」
わざとらしく悲しそうな表情を作ったかと思えば、私を壁に追い込むように顔を近づけて
「 体の相性、とか 」
「 ッ!何言って.. 」
「 知ってんだぜ?さっきのアレ、お前が隣の部屋で聞いてたこと 」
顎を持ち上げられ、いつもの死んだ目とは違うギラついた目から逃れられない。
先程のあの声が再び脳裏を走り思考がおかしくなりそう。
「 へんたい 」
染まった耳に吐息混じりの声が落とされる。
言い返したいのになんだか力が入らなくて。
「 なに?これだけで感じちゃった?それとも俺達の声で想像してたとか? 」
「 心配すんな...俺がちゃんと責任とってやっから 」
撫でるようにその手が頬から首、鎖骨から肩へと滑り、体を隠すと言うよりも掛かっているだけのタオルへと手が伸びた時。
「 ついに手出しやがったな 」
「 現行犯逮捕ですぜ旦那 」
「 本当見境ないよね 」
脱衣場の出入りに立つのは寝巻き姿の土方さんに総悟君、そして神威さん。
「 お前ら空気読めなさすぎ。折角こんなに盛り上がってたのによぉ、なぁ?」
頭を掻き、溜息を吐く銀時さんは悪びれもなく私を見る。
まるで今までの行為が全て合意の元だと言い張るようなその人に迷いの無い右ストレートを入れた。
「 盛り上がってません! 」
.
522人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
粥 - 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時