潔癖症上司［Levi］ ページ7
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大都会に聳え立つ高層ビル。
珈琲の香り漂うオフィスには女子たちの楽しそうな声が響く。
「えー!あの証券の?」
「あそこって年収すごいよね!」
「金持ちでイケメンな男...良い人材捕まえたね...」
向かい合わせのデスク。
興味津々な先輩方の視線が怖すぎる。
どうして彼氏の年収の話になるのか。....まぁ女子ってそういう話題好きだよなぁ。
きっと悪気は無いのだろうけど、ボリュームは大きいし他部署もいるこのメインオフィスで...溜息が出そうになる。
この大手企業に勤めてはや3年。
仕事はようやく慣れてきた。それは先輩方のおかげが大いにあるけど、得意では無いと言ってしまえば失礼に当たるだろうか。
「こら。後輩をいじめるんじゃないよ」
作り笑顔も引き攣ってきた頃。背後から聞こえる声に振り返ればナナバ先輩の姿。
私の心情を代弁するように呆れた顔をしていた。
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「ナナバ先輩助かりました..私はもう先輩無しではこの先やっていけません!」
「まったく。Aだってもう新人じゃないんだよ?」
隣を歩くナナバ先輩は私と同じ部署の先輩であり、私の憧れの女性。やれやれと言った表情でさえ様になる。
弱音を吐きながらもこの3年間やってこられたのはこの人の存在が大きい。しかし、先輩はもうすぐ産休に入ってしまうし今度は私が頼られる側になるんだ。
「先輩までそんな事言わないでくださいよ!願わくば永遠にナナバ先輩から甘やかされたい人生なんですから!」
既に寂しさと責任感に襲われ先輩に引っ着けば、しょうがないなぁなんて優しく笑う先輩。
だがしかし、そんなほのぼのタイムも束の間。
私は直ぐに凍りつくことになる。
べたべたとくっつき歩けば、辿り着いたのは会議室前。押し開かれたドアの先に待っていたのは...
「オイ、」
「ここの掃除をしたのはお前か?」
詰まりながらも返事をすると、その眼光は更に鋭くなって。
「全てやり直せ」
リヴァイ･アッカーマン部長。
私の上司兼私の苦手な人だ。
潔癖症上司
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作者名：□白澤□ | 作成日時：2022年3月30日 23時
