参拾陸. ページ36
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まだ日の出も間もない時間だと言うのに、
お店の方がなにやら騒がしい。
自宅となっている二階をまわっても、二人の姿はなく。
着替えを済ませ慌て降りるようにお店を覗けば、そこには驚愕の光景が広がっていた。
｢...えっと....これは....｣
ここから確認できるだけでも数十台のパトカーがお店の前で停車し
真選組に似た白い制服に身を包む男達は神妙な面持ちで、何やら親父さんと女将さんに迫っていた。
思わず呟いた私の声に一斉に集まる視線。
女将さんらが心配そうに見詰めるから、此方まで強ばってしまう。
事情を尋ねようとした私よりも先に口を開いたのは、一番先頭にいた男性。
｢ おはようございます ｣
｢私、見廻組局長の佐々木異三郎と申します｣
｢貴女が新見Aさんですね。随分と探しましたよ｣
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豊穣祭にて将軍護衛と言う大仕事が昔のように、いつもの日常に戻り始めた真選組屯所。
普段なら朝稽古の為に中庭から声が響くのに、今日に限っては静まり返っていた。
早朝から広間に犇めく幹部達。
額に汗を流す局長は、きっと暑さからではない。
｢朝早くからすまない。｣
｢先程、松平のとっつぁんから連絡が入った。どうやら本日、将軍様がお忍びで街に繰り出すらしいと｣
｢近藤さん、んなの今に始まったことじゃねーですぜｨ。将軍護衛はもう懲り懲りでさｧ｣
欠伸をする一番隊隊長はその話を遮るけど、他の隊士らも賛同するようにそれぞれ声をあげる。
｢今回の護衛は俺達に声が掛かっていない。....全て見廻組が手上げをし話が進んでいる...｣
その名前を出した瞬間、野次のような声はピタリと止まり
隣に座る副長の片眉も僅かに動く。
｢....将軍のお守りはいつも俺達に回す見廻組が...ただのお忍び護衛になぜ...｣
一人の隊士の呟きのように、みな疑心暗鬼に警戒する。
｢ これは俺個人の予見だが.....｣
｢ 奴らは恐らく、この一件がこれから幕府を...いや、世間を揺らす事態へと繋がると踏んだのだろう｣
その局長の発言に、更に興味と警戒心を煽られる隊士達。
一斉に集まる視線の先には、どうにも悩ましい表情。
眉間に皺を寄せ力強く目を瞑る局長は、その重い口を開いた。
｢....今回将軍とお忍びで出かけるのは、妹君でも松平のとっつぁんでもない....｣
｢.........新見A。あの子なんだ...｣
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千鶴 - 好みの夢主でした。更新楽しみにしてます！ (2021年1月23日 20時) (
レス) id: 20d4515acd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - スマホを変えて、垢が変わり､３回目｡いつ読んでも最高です！応援してます！ (2021年1月23日 9時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 前のコメントから一年ちょい｡ログアウトしてしまい大発狂｡漸く見つけました此の作品！！更新頑張って下さい！！！応援してます！！！ (2020年8月23日 20時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
も も(プロフ) - この作品は更新ないですか？楽しみにしてます！！ (2020年8月17日 3時) (レス) id: 32f8d7a304 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - トシがかっこよすぎます！！！めっちや面白いです！！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：□白澤□ | 作成日時：2019年4月3日 1時
