参捨壱. ページ31
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「俺とあんたは客と店員。それ以上でもそれ以下でもない 」
「そっか...そう..だよね....」
賑わう祭り会場には似つかわしくない雰囲気。
土方さんの目を掻い潜り、チャイナ娘と一戦交え、やっと気楽にサボれると思えばこれだ。
ここ一か月、真選組は今日の将軍護衛の準備の為にこの広間に通った。休憩の合間、近くの定食屋を利用するのは自然のことだ。恐らく、通った理由は自分の為だと勘違いしたのか、同い年だ何だのと理由をつけ話しかけてきたその定食屋の娘に、今こうして想いを告げられている。
目の前で啜り泣く女。
他人の泣き顔は嫌いじゃねェが、こうもだらだらと泣かれると興も醒める。
「 ....目の前で女の子が泣いてるのに...なんとも思わないんだね....」
「 沖田君ってほんと酷い... 」
聞き飽きた言葉には何の感情も沸かない。そもそも俺は聖人君子なぞに成長した覚えも無い。
思いのまま吐き捨ててやってもいいが俺はすぐにでもこの女から解放されたかった。
自分からこの場を立ち去ると言う選択肢は極力選びたくない。近藤さんにでも告げ口されれば何かと面倒だから。
溜め息をつき、周りを見渡す。
どいつもこいつもあほ面で、何かを待つように同じ方角の空を見上げていた。
ふと視線を移した時、見上げる群衆の中で唯一それに逆らう男女。
見覚えのあるその女の言葉が聞こえた時、
「 ずっと、ずっと昔から貴方が好きです 」
その男の返事が聞こえた時、
「..俺はお前をそう言う目で見たことは一度も無い」
俺の思考は停止して、
「 おぉ！すげぇ！」
「 今年の花火は別格ね！」
空には満開の花火が打ち上がった
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そいつと出会ったのは、13年前の桜舞う武州。
近藤さんに連れられ顔を出した道場。
" 2個上だからって調子にのんな！ "
" そんな大口叩くのも私に勝ってからにしなさいよ "
初対面で手合わせをした俺は、完膚なきまでに敗北。
おしゃまで生意気で、初心者にも手加減なし。第一印象は、最悪だった。
しかし、その日を境に俺には目標ができた。
" 立派な侍になって..お前より強くなって... "
" いつかお前を泣かせてやる! "
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千鶴 - 好みの夢主でした。更新楽しみにしてます！ (2021年1月23日 20時) (
レス) id: 20d4515acd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - スマホを変えて、垢が変わり､３回目｡いつ読んでも最高です！応援してます！ (2021年1月23日 9時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 前のコメントから一年ちょい｡ログアウトしてしまい大発狂｡漸く見つけました此の作品！！更新頑張って下さい！！！応援してます！！！ (2020年8月23日 20時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
も も(プロフ) - この作品は更新ないですか？楽しみにしてます！！ (2020年8月17日 3時) (レス) id: 32f8d7a304 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - トシがかっこよすぎます！！！めっちや面白いです！！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：□白澤□ | 作成日時：2019年4月3日 1時
