拾玖. ページ19
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「 長居しちゃった.. 」
辺りはすっかり夕暮れに染まる。
あの後、否定はし続けたものの、にやにやと頬が緩みきっている3人の顔..。夢に出てきそう..。
根掘り葉掘り聞かれ、蘇ったのは昔の、
武州時代の甘酸っぱい記憶。
「 あと、これとこれを..2個ずつください 」
女将さんから頂いたメモを頼りに、遅れた買い物を済ます。
「 あとタバスコ 」
店員の袋詰めを待つ私の隣に
割って入るように追加する声。
「 ...なにしてんのよ 」
「 それはこっちのセリフでｨ 」
真選組の隊服に身を包む、涼し気な瞳が私を見下ろす。
「 お店の経費なんですけど？ 」
「 手当てしてやったんだ。お相子でさｧ 」
「 あんたじゃないでしょ 」
呆れたようにため息をつき、買い物袋をぶら下げ歩き出せば
当たり前のように隣を歩く1番隊隊長さん。
「 でも総悟が隊長ねぇ 」
かっちりとした制服に身を包む姿。
黙っていれば様になっているじゃない
その証に、通り過ぎる女の子たちの視線が隣に集まるのを感じる。
「 見惚れてんのかｨ 」
「 世も末って話よ 」
トントン拍子で進む会話。
返ってくる声は昔とは違う大人のようだけれど、どこか懐かしい。
「 髪 、」
「 伸びたな 」
「 え？うん、まぁ 」
突然に指摘され、左右に揺れる結んだ髪を触った。
どういうことかと説明を待つ沈黙。
それを破るように、総悟は私の手から買い物袋を奪う。
「 ..ありがとう 」
「 お前の歩く速度に合わせてたら明日になる 」
合わせてくれてるんだと少し思ったものの、それを言えばまた言い合いが始まる。
急いで言葉を飲み込んだ。
「 送ってくれるの？」
「 んなわけねぇだろ。ただの暇つぶしだ 」
「 はいはい、ありがとうございまーす 」
「 つくづくムカつく女だな 」
慣れた返しで歩いていると、もう店は目と鼻の先。それと同時に前から走ってくるのは必死の形相な山崎さん
「 たいちょー！次見廻りサボったら本当に切腹ですよお！？ 」
隣で舌打ちをする総悟は、面倒くさそうに袋を突っ返してくる。
「 ありがとう 」
「 送ってくれて 」
「 ただの暇つぶしだって言ってんだろ。勘違いすんな 」
「 勘違いでいいわよ 」
「 見廻り頑張って 」
ぽんっと激励の意を込めて肩を叩き、
背中に視線を感じながらお店の暖簾をくぐった。
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千鶴 - 好みの夢主でした。更新楽しみにしてます！ (2021年1月23日 20時) (
レス) id: 20d4515acd (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - スマホを変えて、垢が変わり､３回目｡いつ読んでも最高です！応援してます！ (2021年1月23日 9時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 前のコメントから一年ちょい｡ログアウトしてしまい大発狂｡漸く見つけました此の作品！！更新頑張って下さい！！！応援してます！！！ (2020年8月23日 20時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
も も(プロフ) - この作品は更新ないですか？楽しみにしてます！！ (2020年8月17日 3時) (レス) id: 32f8d7a304 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - トシがかっこよすぎます！！！めっちや面白いです！！ (2020年3月11日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：□白澤□ | 作成日時：2019年4月3日 1時
