前世の恋��(3z) 〔 坂田銀時 〕 ページ25
.
" それ "はいつも、夢として蘇ってくる。
.
.
「 猫のミーちゃん、どこに行ったんですかね 」
『 このままじゃ埒が明かねぇ 』
『 新八と神楽はあっち、俺はこっち 』
「 二手に分かれる作戦ですね 」
「 先に見つけたら酢昆布買ってくれるヨロシ 」
『 誰が買うか...っておい!! 』
先走って遠ざかる神楽に、それを追う新八。
『 ったく..あいつら言うこと聞かなくなったなぁ 』
『 ここらで一発シメとくか? 』
ゆっくりと沈む夕日。
少しずつ増える提灯の灯り。
だらしなく着た着物で町を歩く。
重い足取りの銀時に、
�爐修了勠瓩了僂�映る。
「 おぉゆきちゃん。今日は一段と真剣だねぇ 」
「 婚約者にでも手作り料理振る舞うのかい？ 」
「 ふふ。正解です 」
真剣に店先に並ぶ野菜を見つめるかと思いきや、
優しい瞳で談笑する " ゆき "の横顔。
『 ちょいとお嬢さん。今晩お暇ですか 』
わざとらしく他人行儀に声を掛ける俺に、
大きく開くその瞳は、驚いたと訴えてくる。
が、
俺の姿を捉えると、
「 いいえ。暇なんてありません 」
「 あなたのお家でお食事会だから 」
そう片手に持つ買い物袋を見せながら
悪戯っぽく笑ってみせる。
.
.
「 迎えに来たの？ 」
『 どーせ道に迷ってると思ってな 』
隣で歩くゆきから買い物袋を奪い取ると、
「もう何年通ってると思ってんのよ」なんて笑う声。
静かな通りに出ると、水のせせらぎが響き、
蛍の光が2人を温かく照らす。
「 もうそんな季節かぁ 」
『 ばーさんみてぇだな 』
「 なによ 銀さんもでしょ？」
子供のようなやり取りをして、笑って。
2人の間に流れる沈黙すら心地よくて。
『 なぁ、ゆき 』
『 本当に俺でいいのか 』
突然、ふと零れた言葉。
自分でも驚いた。
案の定、隣にはきょとんとした顔。
『 っいや、なんて言うか..なんでもねぇ』
『 聞き逃してくれ 』
数日前、俺はゆきに結婚を申し込んだ。
今更不安になった訳ではない。
あの時、ただの疑問に過ぎなかった__
「 ふふ。確かに 」
ゆきの短く笑う声が沈黙を破る。
「 いい加減だし、ちゃらんぽらんだし、お金はないし 」
『 おい_ 』
貶す言葉を並べるゆきは、俺を遮るかのように立ち止まり、
俺の手をとった。
「 それでも好きだから 」
前世の恋��(3z) 〔 坂田銀時 〕→←前世の恋��(3z) 〔 坂田銀時 〕
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いんぬもぬっこも好き - 銀さんの〈前世の恋〉感動……控えめに言って泣きました…作者さん大好き… (2022年9月3日 21時) (
レス) @page26 id: 529ebb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
Taku(プロフ) - ちょっと！ヅラ（ヅラじゃない、桂だ）ヅラよ！（ヅラじゃない、桂だ）ちょっと夢主ちゃんそこ変わって！300円あげるから！！ (2020年4月29日 0時) (レス) id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - とりあえず大好きです。 (2019年8月16日 22時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
雪うさぎ - 新八の話しが見てみたいです。激甘？そんな感じでお願いします！これからも応援してます (2019年5月25日 20時) (レス) id: cd19b8b7b7 (このIDを非表示/違反報告)
山崎照葉(プロフ) - 山崎の嫉妬なんかどうかなぁ……((ﾁﾗｯ ……書いてほしいです！！ (2019年4月15日 18時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：□白澤□ | 作成日時：2017年8月7日 13時
