【鬼滅の刃】処刑までの2週間

歪みと異物 ページ23

4年前







経過した2年で色々な事があった。









カナエさんと同時に柱に任命された。


御館様が左眼を患った。


カナエさんとしのぶちゃんに妹が出来た。









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水柱が口下手な人に変わった。


風柱が傷だらけの人に変わった。








柱の顔ぶれが変わる度に心が軋んだ。


柱は名誉ある地位だ。






その分責任と危険が付き纏う。









そしてある日









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花柱が亡くなった。









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あの日は私は別の任務に赴いていた。


暁から伝令を聞いて直ぐに向かうと、
まだ温もりの名残りを感じるカナエさんを抱きしめ涙を流すしのぶちゃんが居た。






気づけば涙が頬を伝っていた。









その後の事は余り覚えていない。









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炎柱が就任した。


蛇柱が就任した。





蟲柱が就任した。









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目まぐるしく変わるものもあれば、
変わらないものもある。






毎日変わらず鬼を斬る。









鬼が憎いか、と聞かれれば答えは出ない。









カナエさんを喪ったのは辛い。



カナエさんは鬼殺隊に必要な人だ。





私が変わってあげたかった。








けれど元々鬼殺隊に入ったのは、私を拾ってくれた師範への恩をお返しするため。






鬼を不憫に思うこそすれ、


恐れを抱く事も、強く憎む理由も無い。









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寧ろ、人の方が恐ろしい。









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散々思い知っていたはずのこの事を、改めて実感したのが1年前。





須楽 姫妃という少女が花柱になってからだ。









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1年前







「は、花柱に就任しましたっ、須楽姫妃でしゅ！
やだぁ、恥ずかしい……っ！」









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初めて会った時から、何処かおかしな人だと思っていた。





他の柱からは感じる様な鬼への復讐心だとか、闘気だとかを感じない。









鬼殺隊らしからぬ噎せ返る様な甘い匂いに

色鮮やかというか寧ろやり過ぎ感が
否めない爪紅を弄る平たい掌に細い指。



その癖周囲を舐める様に見回す瞳。









面越しに目が合った瞬間、その瞳が鋭く輝いた。

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