【鬼滅の刃】処刑までの2週間

夢見鳥 ページ22

side Tanjiro






鏡花さんの口から漏れ出た"カナエさん"と言う人物は、聞き覚えがある。






3週間くらい前だろうか。

蝶屋敷でしのぶさんが話していた人だ。





あの人と鏡花さんは同期だったのか。









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きっと、鏡花さんにとって大切な人だったんだろうな。






悲しそうな、懐かしむ様な匂い。









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裏切られて、傷つけられて。




味方だった人は既に傍に居ない。









けど……………けど……っ！









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「俺は……………っ、俺達は！
貴女の、鏡花さんの味方です!!






罪の無い人を傷つけるだなんて間違ってる！


仲間を裏切って、何が柱だ!!









悪鬼を斬る以前に、善人と悪人を見分けれる様になれ!!



………と、思います……。」









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鏡花さんの目が見開かれた。

夜空を映した様な、澄んだ瞳。





その美しさに息を呑むと、隣から決意の匂いが強くなった。









「た、炭治郎の言う通りです！
俺、全然強くないし頼りないけど!!


あんな汚い音がする人のせいで鏡花さんが犠牲になるのはおかしいです…







俺は鏡花さんともっと色んな事したいし一緒に居たいしあわよくば結婚したいです!!」









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………何か余分な言葉が混じっていた気がするが。









「俺も難しい事はよくわからねぇけど
俺はまだ鏡花之助に勝っていない!!



という訳で俺が勝つまで死ぬな！





それに子分を助けるのは親分の役目だ!!」









『炭治郎……善逸……伊之助………………』




迷うような匂いと……少し喜んでいる様な匂い。









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「俺達で鏡花さんの無実を絶対に晴らします!!
なので、本当は何があったのか、詳しく教えて頂けませんか？







俺達は、鏡花さんに居なくなって欲しくない。




もっと一緒に稽古がしたい。


任務にも行きたい。


甘味処だって行きたいし…









何より鬼の居ない世界を皆で見たい!!




だから、どうか生きる事を諦めないで…

お願いします……」









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『もう、生きていたくないと言ったら…

………どうしますか？』









「…………え。」



『疲れたんです。……全てに。』









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そう言った顔は、悲痛とかを通り越して









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虚無だった。

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