身魂の疾苦 ページ15
「姫妃が初めて斬られた場所ってどこ?」
「右の二の腕でしたよね?姫妃さん。」
「うんっ!あってるよしのぶちゃん!」
「ふーん、わかった。」
そう言って霞柱が斬りかかってきた。
それを難無く避ける。
『隊士同士で刀を抜くのは御法度では??』
「よもや!そんな事を言う余裕があるとは!!!」
「ちょっと、
紛れって……
そうか……私は弱い、と。
『紛れでも何でもありませんよ。そして私は
貴方方が隊律を犯すのを防いでいるのですが?』
「そんなもん派手に必要ねぇな!」
-
不意に音柱から鳩尾を蹴られた。
呼吸が一瞬止まり、激しく咳込む。
「隊律違反だァ?てめェが言えた義理はねェなァ。」
『コホッ……っ、やってくれますね…』
抵抗するのが面倒になってきた。
-
-
霞柱に今度こそ斬りつけられる。
右腕に焼けるような痛みが走った。
怪我を負うなんて久しぶりだ。
最近は特別手強い鬼と会わなかったから。
「これが姫妃の最初の傷の分。」
-
「(姫妃が次に受けた傷は)何処だ。」
「何言ってるか分かりませんよ冨岡さん。
そんなんだから嫌われるんです。
ハァ…次は鬼の方に突き飛ばされた傷でしたから………胴の右側と左手ですね。」
「あってるぅ!流石しのぶちゃんっ!」
「そうか。」
短く答えた水柱は黙々と胴の右側を斬りつけてきた。
身を引いた水柱と代わるように今度は蟲柱が左手を突き刺してくる。
『っ………!』
「痛いですか?これだけの………否、これ以上の
痛みを姫妃さんは負ったんですよ??」
歪んだ微笑みを私に向けた後、ひらりと後退していく。
-
「哀れな子よ…………謝罪を……すれば……………
罪は軽くなる……
勿論、無くなる…訳では…無いが…………南無…」
-
-
哀れと言ってくる岩柱に憐れみの眼を向ける。
純粋過ぎるのだ。皆、何もかも。
人をただ只管信じれるその白さが羨ましい。
ただ、此処で私が謝れば、罪を認めたと同義になる。
それは嫌だ。
-
今更かもしれないが。
『っ…………身に覚えが無い事を謝る気はありません。』
「まだ謝らねぇとは地味を通り越して地味地味な奴だなぁ!」
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光闇 - ハッピーエンドでいいんですか? (6月8日 22時) (レス) @page22 id: 2a2d152930 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - 柱達と仲直りしないんだね!良かったー!あんな人殺し集団と仲良くする義理なんてないって! (2023年1月31日 9時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - 面白いです!終わりとなってたんですけどもう終わりなんですか? (2022年9月23日 22時) (レス) @page24 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
伯愁(プロフ) - マナさん» 夢小説と名乗る以上当方での完全な名前固定は致しかねます…申し訳ありません。 登場人物設定の「夢主」の欄に何も入力されないとデフォルトの名前のままお楽しみ頂けるかと思います。 ご希望に添えず申し訳ありません。ご理解頂けると幸いです_(。。)_ (2022年1月27日 19時) (レス) id: ca8a5a890b (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 名前変換しなかったら、名前は鏡花のままですか? (2022年1月25日 17時) (レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伯愁 | 作成日時:2020年5月10日 20時