三話 ティータイム ページ3
その後は、いつもアルバート様とするようにおしゃべりティータイムだった。クラリス様には、
『アルといっしょにいる時みたいにくだけた感じでいいわよ。さっきみたいに』
と言われた。おそらく、先程のツッコミのことだろう。詳しく聞いた話をまとめると、私のド平民っぷりが気に入られたらしい。つまりはまだまだプロの使用人には程遠いってことだけど……まあそれは置いておこう。
「クラリス様の専属ってエマさんですよね?歳も近い方だと思うんですけど、友達みたいな関係じゃないんですか?」
「んー、エマとは仲良いけど……なんていうか、友達というか……」
クラリス様はしばらく悩んだあと、ハッと気づいた様子で言った。
「そう!お姉様とかお母様って感じで……」
「誰がお母様ですって?」
ふと、入口の方を見ると、エマさんがにこやかに立っていた。……あの、後ろから何か黒いものが見えるのですが。
「クラリス様。私的なものがあるから部屋の片付けは自分でやるとおっしゃっていたのにどうしてここにいらっしゃるんですか?私が部屋を掃除してもいいんですよ。貴方様の趣味のあれやこれやに口は……」
「わー!それ以上言わないで!ちゃんと片付けるから!」
クラリス様は慌てて立ち上がった。エマさんは笑顔のまま続ける。
「まあ、いいですけど。あと、先程聞こえた『お母様』とはどういう意味ですか?『お姉様』はさておき、私まだ20なのですが」
「ごめん!ごめんなさい!だからそんなに怒らないで!じゃ、じゃあまたね、ソフィア。アルもありがとう」
そう言い残すと、クラリス様はエマさんを連れてそそくさと退出してしまった。残された私たちは落ち着くようにお茶を一口飲む。
「……私、クラリス様の印象変わりました」
最初は高貴で美しくて、なんだかお近づきになりにくい人だど思っていたけど…話してみれば普通女の子だ。
「いや、あれはまだ猫被ってるぞ」
「本当ですか?」
アルバート様はニヤリと笑った。
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作者名:お芋 | 作成日時:2019年10月16日 21時