検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:4,811 hit

十二話 おかしい ページ12

最近、なんだかおかしいのである。

四人でティータイムを過ごすようになってから、解散時間がきっちり守られるようになった。私たち二人だけの時は、アルバート様が終わりたがらなくて、グレンさんが度々迎えに来ていたのだ。
でも、それがなくなったからグレンさんと会う機会が減ったかと思えばそうでもない。なぜか仕事中や食事の時間にばったり会うことが多くなった。気が合いますね、なんて話をして。仕事中に会えば、たまに私の仕事を手伝ってくれる。そんなに優しい人だっただろうか。
そうして過ごしていくうちに、今日は会えるだろうか、会ったらなんの話をしようか、なんて期待してしまう自分がいる。グレンさんとの会話は楽しい。近寄り難い雰囲気ではあるが、教養があって話がわかりやすいのだ。……まあ、たまに怒られたりもするのだけど。

そんな、グレンさんとの間の変化になんだかむず痒さを感じるのだ。


△▼△▼△▼


アンダーソン公爵家に着き、目に飛び込んだ光景に思わず声をあげそうになるのをなんとかこらえた。
伯爵家もセンスの良い屋敷と庭園だったが、段違いである。これが家なのかというレベルの広さと豪華さに驚きを隠せない。

「何を変な顔をしてるんですか。行きますよ」
「はっ、はい。すみません」

グレンさんの声で我に返り、急いで後をついていく。いけない、いけない。仕事をきっちりこなさなくては。

私は名目上、クラリス様にお仕えしている使用人である。つまりはエマさんとほぼ同等の立ち位置だ。仕事はクラリス様の髪やドレスが崩れた時の手直しや、お菓子やちょっとした食事を主人の元へ運ぶといった具合だ。
公爵家は少し標高の高いところにあり、少し涼しく、今日は晴れているため外でのお茶会のようだ。
私は気合いを入れて、お茶会に臨んだ。

十三話 お茶会→←十一話 馬車での旅



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:使用人 , メイド , 貴族   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お芋 | 作成日時:2019年10月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。