十二話 恋人? ページ25
「あなた方、連れに何か御用ですか」
いつになく声が冷たい。いや、いつも冷たいんだけど、今回はそれよりも冷たくて、まるで相手を突き放すような声色だった。
「なーんだ、彼氏連れか」
「そうです。我々、少し急いでいるのですが」
……ん!?今なんて言った?!
思わず前に出ていこうとしても、力ずくで押し戻される。
(……グレンさん、なんか怒ってる?)
私が待ち合わせ場所にいないで勝手に店に入ったからだろうか。とにかく、前の二人には関係ないので後ろから必死に弁明する。
「あの!さっき私がこちらの方とぶつかってしまって!成り行きで少しお話していただけです!」
「……そうなんですか?」
「そうそう〜!だからそんな怖い顔しないでよ、彼氏さん」
(え!?グレンさんが怖い顔してるの?!)
見てみたい!と興味津々で顔を覗き込もうとするも押し戻される。格闘しているうちにグレンさんは二人に謝り、いつの間にか私たち二人になっていた。
「あなたは一体何をしているんですか。こっちが話をつけている間も後ろで余計なことをしようとして」
「いや、だって彼らは悪くないですし……」
「だいたい、そちらから待ち合わせ場所を指定しておいてふらふらしないでください」
「す、すみません……」
う、また怒られた。気づくといつも怒られてる気がする。怒られて小さくなっていると後ろからいつもの笑い声が聞こえてきた。
「はー、おもしろかった。急に走り出すもんだからどうしたかと思えば、ソフィアがこわーい男たちに絡まれてると思ったわけ?ふーん……ところであなたたち、いつから恋人同士になってたの?」
黒髪のアルバー……アリスちゃんはひとつの袋を持ってニヤニヤと笑っていた。
そうだ。怒られてて一瞬忘れてたけど、グレンさん、あの時……
チラとグレンさんの方を向くと、いつもの淡々とした様子で彼は答えた。
「恋人ではありません。あの時はああ言った方が早くことが終わるだろうと思ったからですよ」
「へー、そう」
アリスちゃんはつまらなそうに返す。
あの時、グレンさんは私を助けようとしてくれたの?そっか、それならその方が……
少し寂しいような悲しいような気がするのは気のせいだろうか。
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お芋(プロフ) - シャル@如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です!頑張ります。ありがとうございます!! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル@如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!早速読ませていただきました!凄く分かりやすくて良い小説ですね!何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お芋 | 作成日時:2019年9月6日 17時