二話 鍛錬場 ページ15
「えーと、まずは……」
「ちょっと!アルバート様!どこに行くんですか!!寮はそっちじゃないですよ!」
「わかってるよ。騎士の寮より鍛錬場の方が近いから直接行こうと思って。まだあがる時間じゃないからきっと本人がいるだろうよ」
そう言って一枚の手紙を手でひらひらさせた。宛名は『エヴァン』と書いてある。
(エヴァン?……どこかで聞いたような?)
といっても、騎士団に知り合いなんていないし同じ名前の人だろうか。
私はアルバート様から手紙を取り返し、首を傾げた。
△▼△▼△▼
「休憩中にすみません。こちらの騎士団の方宛のお手紙をお届けに参りました。エヴァンさん、アーロンさん、ランドルフさんはいらっしゃいますか?」
鍛錬場に着き、入口で休憩していた騎士さんに声をかけた。
「三人ともいるはずだけど……手紙は寮の各部屋に届けるように言われなかったか?こっちは忙しいのさ」
「俺が頼んだんだ。直接届けるついでに身体を動かそうと思って」
「ア、アルバート様!?」
私の後ろからひょっこり顔を出したアルバート様に驚く騎士さん。
そうです。私は悪くないんです。このお坊ちゃまが命じられたことなのです。
「忙しいならまた出直すけど……」
「いえいえ!アルバート様にお相手いただければ皆の志気も高まりましょう」
……アルバート様がこの屈強な男達の相手をするの?十歳で女装しても男の子とバレないようなこの人が?身分故の太鼓持ちだろうか。
だいたい、なんだこの掌の返しようは。少しムッとしながらも私は穏やかな表情(になってるはず)で話しかけた。
「それで、エヴァンさん、アーロンさん、ランドルフさんはどちらに?」
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お芋(プロフ) - シャル@如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です!頑張ります。ありがとうございます!! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル@如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!早速読ませていただきました!凄く分かりやすくて良い小説ですね!何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お芋 | 作成日時:2019年9月6日 17時