第二章 一話 手紙 ページ14
よく晴れた日の午後のこと。
「ちょうどよかった。そこの使用人さん、この手紙、他の人に届けてくれないか」
「わかりました」
「ありがとう。よろしくね」
ちょうど休憩前に門の近くを通りかかると、番兵さんに数枚の手紙を渡された。宛先を見ると、使用人だけでなく騎士の人達にも宛てられたものがある。
(あ、まただ……)
そこに一通の手紙を見つけ、げんなりする。宛先は私。差出人は兄。どうせまた『休みをとって早く帰って来い』だの『寂しくてもうしにそう』だのといったことが書いてあるのだろう。もうそろそろ返事のレパートリーが無くなってきたから勘弁して欲しいなどと思いながらため息をついていると、
「ソーフィア！！」
彼の声と共に後ろから追突された。
「ぐっ……アルバート様！あなたは普通に現れることはできないんですか！」
「これが俺の普通なんだよ」
そう言って無邪気な笑顔を見せるのはアルバート・ルズベリー様。
正体を知ったあの日以来、どこで知ったのか私の休憩時間になると必ず現れるようになった。一応配慮はしてくれるようになったのだろう。そして、
『公の場所じゃなければ、俺に対してはいつも通りでいいからな！』
と言われて、その通りに接していたらいつの間にか普通に仲良くなっていた。前はとんだクソガk……やんちゃさんだとは思っていたけど今じゃ休憩時間のおしゃべり相手だ。
「あれ、その手紙どうしたんだ？」
「番兵さんに届けるように頼まれたんです。それほど時間はかからないと思いますし、先に行って待っててください」
「俺も行く！」
「え」
いやいやいや。使用人の雑用にお坊ちゃまが付き合っちゃダメでしょう。
あからさまに嫌な顔をしているとアルバート様は私の手から手紙をひったくって走り出した。
「待つのは嫌いなんだ！身体も動かしたいし早く行くぞ！」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ！ついてきていいですから、手紙は返してくださーい！」
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お芋(プロフ) - シャル＠如月唯奈さん» 読んでいただいて、ありがとうございます！お褒めに預かり光栄です！頑張ります。ありがとうございます！！ (2019年9月18日 19時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
シャル＠如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！早速読ませていただきました！凄く分かりやすくて良い小説ですね！何より主人公かわいい(*≧з≦)これからも更新頑張ってください〜 (2019年9月18日 19時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2019年9月6日 17時
