Prologue ページ1
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日が傾くのも随分と早くなってきた。
この辺りでは、一番大きな書店であるこの店にも、秋の読書フェアとの文字が踊る。
私も、それに倣ったうちの一人だ。
学生鞄の中に増えた小さな重みに、肌寒さも忘れてホクホク顔。
家に帰って、暖かいレモンティーでも飲みながら、どれ読み進めようかと、思い巡らせていた………そんな時。
往来の人の間に、たしかにその顔を見つけてしまった。
「(あーーー!!)」
幾分、その彼のように観察眼があるわけでも、注意力があるわけでもない。
ただ、どうにも、この顔は目に止まってしまうのだ。
そして今も。
彼は気づかないようで、駅とは逆方向に歩いてゆく。
私は人の間を縫うように彼を追いかけ、
いよいよその手を___
「捕まえた!また事件でどこか行ってたんでしょ!今日だっていきなり学校飛び出すから、私が貸したノート、なくてすごく困ったんだから!」
腕を引いて、こちらを向かせたそれは、困惑顔の、新一くん。
「________えっと?」
……いや、新一くん…ではなくて。
「へ…」
間抜けな声が口から漏れた。
「え?」
「だ、誰!?!?」
「いや、それはオレのセリフ…」
「ドドドドドドッペルゲンガー!?」
勢いよく掴んだ手を離した。
幽霊もお化けも信じないタチだったが、こうも目の前に出会すと、パニックになってしまうらしい。
慌てて後ずさると、足がもつれてフラついた。
バランスを崩して、尻餅をつく……その、手前で
「多分、人違い…だと思うけど」
私の腕を掴んだ彼は、またしても困ったように笑った。
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レイ(プロフ) - 場違いですいません、Frisk様、怪盗とバカのパスワードを教えてください! (2月18日 5時) (レス) @page2 id: 70d784bd19 (このIDを非表示/違反報告)
Frisk(プロフ) - 志逢さん» コメントありがとうございます!好きと言ってもらえて嬉しいです〜♡キラキラ笑顔の黒羽くんも高校生らしくて可愛いですよね、わかります… 犯沢さんはアニメしか見てないのですが面白かったですね!これからもよろしくお願いします。 (2023年1月6日 23時) (レス) id: 3382e552a4 (このIDを非表示/違反報告)
Frisk(プロフ) - まみこさん» 犯沢さんにキッド様出演してて最高でしたね〜作画もめっちゃよかったし叫んじゃいました。短編もご要望ありがとうございます♡また、集まってきたら短編集を作ろうかな…とちょっと考えました笑 (2023年1月6日 23時) (レス) id: 3382e552a4 (このIDを非表示/違反報告)
志逢(プロフ) - この作品スゴい好きです!個人的にはキラッキラな笑顔向ける黒羽くんが好きです…(笑)犯沢さんの漫画全巻持ってます。期間限定短編なのが悲しいですがこれからも頑張ってください! (2022年12月26日 9時) (レス) @page15 id: d110183434 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - あの、二回目のコメントすみません!!犯沢さん私もみてます、、!素敵な作品ですよね!!私も最推しほどじゃないけど白馬くんすごい好きで、初登場でめちゃくちゃ喜んでしまいました……!!期間限定公開なのが少し寂しいです、、よければずっと公開して欲しい((殴 (2022年12月13日 1時) (レス) @page15 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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