とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ17)

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審神者部屋から歩いて3分ほどで、燭台切光忠が閉じ込められている倉庫に着く。

付いてきたのは、場所を案内した大倶利伽羅、神室、今朝目を覚ました薬研だ。

｢俺がこの札を剥がした時、折れてしまった…つまり札は人間にしか剥がせない。｣

｢分かりました。では私が剥がしましょう。｣

Aが扉に貼られている札を剥がすと、扉が開く。

大倶利伽羅が飛び込もうとするが、薬研が止めた。

｢こりゃおかしい…こんななんの罠もなく助けられるわけが無い…｣

｢たしかに…おかしいな…｣

大倶利伽羅は素直に薬研に従った。

すると次の瞬間、倉庫が燃えだした。

｢どうして…！｣

Aはショックでこれ以上の言葉が出なかった。

｢光忠！｣

大倶利伽羅が炎の中に飛び込もうとする。

だがそれは、いつの間にか全身ずぶ濡れの神室によって止められた。

｢あんたはここで待ってろや。それ以上焦げたら誰か分からなくなるぞ｣

神室はからかうように笑ったあと、瞬時に炎の中に消えた。

｢神室！｣

Aは叫ぶが、返事はなかった。

｢審神者様！その札は刀剣男士の過去の記憶によって働く厄介な札です！審神者様の霊力で、この札を抹消してください！｣

｢…分かった。やってみるよ｣

札を握りしめ、念じる。

すると徐々に炎は勢いを失っていった。

｢大将！炎が消えかかってる。もう少し頑張ってくれ！｣

薬研は大倶利伽羅と一緒に、池から汲んだ水を倉庫にかけ、消火していた。