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事の始まり(後) ページ5

「はぁ……つまり君達は、ある組織の科学者と構成員で、体を縮ませる毒薬を飲み、その組織を裏切って逃げて来たと……」

「そう…それで、同じ薬を飲んだ工藤新一の元へ行かないといけなくて、どうしても貴方の力が必要なの」




夜遅く、明かりの付いた大広間で真剣な声で話す……私と、初老近くのふっくらとした男性。


濡れた服の上からタオルを被る私の横には、真っ白なバスタオルに包まれて横たわる少女がいる。


幼児化の後遺症の影響で、今は意識は無く両目を閉じて深い眠りに就いていた。


「……………」


その横顔をジッと見つめ、思わず唇を固く結んで目を細め………彼女のこれからの為にも、意を決して前を向く。


……私が、何でここにいるのか……その理由はともかく、何となく事の展開は分かってきた。


「……突然押し掛けて来て、その上で突飛な話だということは、重々承知しています…」


結果的に志保がアガサ博士に匿われることになるとは分かっていても、いざ自分がその架け橋役をすることになると、緊張が降って止まない。


ソファーに座る自分の足の上で組んだ両手を、ギュッと握り締めながら、重々しくそう言う私に、


「ま、まぁ確かに、にわかには信じ難い話では……」

「!でも、本当に」


慌てて咄嗟に口を挟んだ私に、スッと手をかざして博士が「しかし」と制した。




「疑う理由も………うむ。えぇと、貴女の話せる範囲で、詳しく説明してくれんかの…?」




何十分か、それくらいの長い時間を掛けて、私が話しても問題無いだろう範囲の情報を話した後、博士は「なるほど」と呟いた。


「正直な話、子どもと大人の女性2人を匿う分には、問題無いわい。幸い部屋もあることだし……」

「!い…いいんですか…?」


思っていたより……というより、信じられない程あっさりと事態を飲み込んでくれた博士に、私はあ然と目を見開いた。


ニカッと笑って「女性の必死の頼みを断る訳にもいかないしのぉ」とちゃらけて言う姿に、私は正直衝撃が隠せない。


……一体どんな育ち方をすれば、こんな聖人のような心が持てると言うのだろう……


もしかしたら、コナンの世界で一番凄いのは、この博士なんじゃないだろうか……


そんなことを内心で思いながら、感謝で一杯の気持ちで私は頭を下げた。




「と、とりあえずは……その子と貴女は、まず服とドライヤーを貸すので着替えをすべきだなぁ…」

「!そ、そうですね…すみません、いつまでも濡れたまま……ありがとうございます」

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白浪燈夜 - ……これめっさ続きが気になる!続きはよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン (2020年3月27日 23時) (レス) id: b3ddaf4719 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きを楽しみにしてます。よろしくお願いします。 (2019年12月19日 23時) (レス) id: 72e733d873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年6月4日 21時

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