3 ページ3
山田side
「ケイ、おいで。」
『ご、ご主人様……？』
自分の中で、まだ音楽に関わっているという気休め
あわよくば客寄せに役立てば良いなと思って購入した歌唱アンドロイドは
俺の話をよく聞き、
些細な事で笑い、
疲れを知らずに何度も歌った。
何に使うのかよく分からなかった『好意スイッチ』は
ケイ自身の積極性を左右するモノだったらしい。
気分が乗らない時はOFFにしておけば、
彼自ら話し掛けてくることはなかった。
ただ、最近は自分でも無意識にONにしていることが多い様な気もする。
生身の人間と変わらないくらい暖かいその体に癒しを求めているのか
はたまた、心に風穴が空いた様な寂しさを彼で埋める為か。
「こっち、向いて？」
『ぇ、あのっ……んぅ……っっ……！！』
ぽんぽんと膝を叩いて、俺の上で向かい合う様に座らせ
躊躇いもなくその唇に口付けて、食む。
『ぁ、の……っ、』
「静かに。」
『は……ぃ、……ぅ、んっ……う♡』
舌の動きに合わせて、華奢な背中に指を這わせば
びくびくと初心な少女の様にいじらしく身を捩る、ケイ。
それから暫くして、やっと唇を離せば
普段から水分が多い瞳は、さらに涙目になっていて
薄く開かれた唇に乗る、どちらのものかも分からない唾液が酷く艶めかしい。
『き、きす……してくれたってことは……ご主人様、
俺の事す……嫌いじゃないって事ですよね……？』
「……そうだよ。」
顔を赤らめて、恥ずかしそうに俯くケイの体を
自分の方にそっと引き寄せて、俺の胸に閉じ込める。
「人間は好きだとキスしたくなるし、
キスするともっと好きになるんだよ。
……そしたらさ、ね？」
すす、とシャツ一枚の彼の首筋を撫でて
そっとボタンを一つ外せば、彼は少しだけぎこちなく
でも嬉しそうに微笑んで、ゆっくりと頷いた。
『ご主人様、だったら……おれ、なんでも受け入れます。』
その言葉を聞いて、彼には見えない様にほくそ笑む。
なんてったってこの子の良い所は心底扱いやすい所だと
ケイの体をソファーへ押し倒しながら、思った。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 514人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「やまいの」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまちぃ(プロフ) - 本日『好きだよ、痛いくらい。【×in】Part4』を公開いたしました。リクエストされていた作品も、今リクエスト中の作品も全てそちらに書かせて頂きますので、お手数お掛けするとは思いますが、そちらをご覧ください。ひまちぃでした！！！！ (2022年1月10日 16時) (
レス) @page40 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» リクエストありがとうございます！！Part1.2にも記載した通りPart3の編集画面を開けなくなってしまったので😢リクエストは今作成中のPart4内で受けさせていただきます！！ (2022年1月5日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - というパタンが成立できるのでしょうかな。周りの人たちに好きな子ができたと宣言するLEO様、いかがでしょうか。ひまちぃさん、機会があればぜひお考えてください💓 (2022年1月5日 20時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - ここでリクエストさせていただけませんか。私ネット音痴なので、ツクウラのDM欄を探しましたが失敗しました😢。ところで、今日大ちゃんは伊野尾ちゃんがゲームする時必ず女性キャラをするといました。ゲームで好きな女の子（ネットオカマ伊野尾)と出会った山田さん (2022年1月5日 19時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» いつもご愛読いただきありがとうございます！常時リクエストも受け付けていますので、機会があったら是非！！ (2022年1月4日 0時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまちぃ | 作成日時：2021年9月19日 22時
