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山田side
「んーと、Wi-Fi繋いで……あのスイッチは……
よく分かんねぇから取り敢えずONにしておくか……。」
説明書とスマホを交互に見ながら
アンドロイドのセットアップを進めていけば
軈て妙に軽快な音を立てて、ソイツは起動した。
『……。』
「ぉ、おお……けっこう可愛い……。」
むくりと箱から上半身を覗かせて
一度、眠たげに部屋の中を見渡すと
ソレは青色に澄み切った瞳で俺の姿を捉える。
その姿は体の構造自体男であるという以外は
全然俺のタイプ直撃って感じで、物凄く可愛らしかった。
彼は少しだけ口をもごもごと動かした後に、やっと口を開いた。
『……ごしゅじん、さま……。』
形の良い唇をゆっくりと動かして微笑む彼に、
俺の心臓はかなり鈍く轟いた気がする。
例えるなら、そうだな……学校のマドンナと目が合ったあの感覚。
何処か幸せで、何処か気鬱で、何処か罪意識が芽生えるあの感覚に程なく近い。
「きみの……名前は……？」
『……ぉれに、名前はありませんが、先生たちは “ケイ” とよびます。』
「……ケイ、俺もそう呼んで良い？」
「っはい。もちろん。」
薄茶色に染まる髪を緩りと靡かせて、
俺に、俺だけに向けられるその綺麗な笑顔に覚えたのは
きっと、周りとは違うという優越感だ。
___________________
『ご主人様！聴いてください！
昨日教わった曲に新しいパラメーターを当ててみたんです！！』
「ああ、聴くよ。ケイ、歌ってくれる？」
『はい！！』
大学でバンドサークルに入り、
頼もしい友人や、愛しい恋人にも恵まれ
俺のアーティスト人生は順風満帆に思えた。
だけど、思ったより世間は汚い。
仕事が欲しいならば、観客が欲しいならば
其れ相応の奉仕をしなければいけない。
好きでもなんでもない女とも寝たし、
それに耐え切れなくなった彼女は泣いて出て行った。
友人は裏金に手を染め、学校を退学。
それに伴う様に、俺もどんどん落ちぶれていった。
今じゃこの有様だ。
毎日毎日宅飲み仲間と酒に明け暮れ
起きるのは冷たいフローリングの上。
それでも歌唱用アンドロイドに手を出したという事は
俺自身みっともなく、まだ音楽にしがみ付いて居たいのだろう。
『どうですか？ご主人様……。』
「とても綺麗な歌声だね。じゃあもう少し
ピッチを上げてみようか。できる？ケイ。」
『ご主人様の為なら！！』
……何しても肯定してくれるロボットなんかに
まだ、縋り付いて居たいのだろう。
．
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ひまちぃ(プロフ) - 本日『好きだよ、痛いくらい。【×in】Part4』を公開いたしました。リクエストされていた作品も、今リクエスト中の作品も全てそちらに書かせて頂きますので、お手数お掛けするとは思いますが、そちらをご覧ください。ひまちぃでした！！！！ (2022年1月10日 16時) (
レス) @page40 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» リクエストありがとうございます！！Part1.2にも記載した通りPart3の編集画面を開けなくなってしまったので😢リクエストは今作成中のPart4内で受けさせていただきます！！ (2022年1月5日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - というパタンが成立できるのでしょうかな。周りの人たちに好きな子ができたと宣言するLEO様、いかがでしょうか。ひまちぃさん、機会があればぜひお考えてください💓 (2022年1月5日 20時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - ここでリクエストさせていただけませんか。私ネット音痴なので、ツクウラのDM欄を探しましたが失敗しました😢。ところで、今日大ちゃんは伊野尾ちゃんがゲームする時必ず女性キャラをするといました。ゲームで好きな女の子（ネットオカマ伊野尾)と出会った山田さん (2022年1月5日 19時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» いつもご愛読いただきありがとうございます！常時リクエストも受け付けていますので、機会があったら是非！！ (2022年1月4日 0時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまちぃ | 作成日時：2021年9月19日 22時
