熱砂の蛇の歪んだ愛着（ジャミルside） ページ43
「あれ？ジャミルなんかいい事あったか？」
「ん？別に。どうしてそんな事聞くんだ？」
「だって表情が昔みたいに柔らかかったからさ！」
「そうか？まぁいい。飯の時間までに宿題ちゃんの終わらせとけよ。俺は少し部屋で休む。」
「わかってるって！」
カリムにそう言い俺は自室に戻り扉を閉めた
自室に戻るや否や俺はその場に蹲りニヤけを禁じえない顔を抑えながら笑っていた
ラドル……
あんなに俺を思って泣いて悔しがって……
本当に可愛い後輩だ
両親からも、周りからも、カリムからも
誰も俺をわかって貰えはしなかった
けどあいつはわかってくれた
家のせいだと
本当は実力がある事を
それを抑え込んでいる事を
何も言わなくてもわかってくれたんだ……
嬉しかった、心から
あいつの前でなら俺は素を出せる
本当の自分を見せられる
バスケだって俺と同じ位の実力で渡り合ってくる
どこまでも俺の背を真っ直ぐに追いかけてきて
それがたまらなく愛おしい
「次会うのが楽しみだな……」
次の宴が待ち遠しい
あいつは甘い物が好きだった筈だ
ならとっておきの甘味を用意しよう
大食らいでもあったな
なら大皿いっぱいに沢山盛り付けてやろう
パレードもいい
きっと喜んでくれる
あいつの願いなら喜んで聞いてやりたい
その代わり、ずっと俺を見ていてほしい
その宝石の様に輝く瞳で俺をずっと……
願わくば砂時計の中に閉じ込めてやりたい
かの熱砂の魔術師様は愛おしい姫君を砂時計の中にいれ、永遠を誓いあったそうだ
熱砂の魔術師様はそんな気があったかは知らないが何とロマンチックな事をしたのだろう
閉じ込めてしまえば永遠にその姿見ていられる
砂が落ち、それが姫に降り注ぎ彩る
砂が落ちれば姫は生き埋めにでもなってしまいそうだがその危機さえ忘れてしまえる程にその瞬きの時は永遠にさえ思えたのではないのだろうか
もしかして愛を計る為の儀式だったのではないか？
フフ、ウィンターホリデーの論文課題のテーマがきまったな
悦を隠しもせず俺はフードを深く被った
大丈夫
全てうまくいくさ
「ジャミルー！ここわかんないから教えてくれー！」
「はぁ……全く。わかった!今行く。」
カリムが俺を呼ぶ声がする
全く、少しは一人でできないものか
まぁいい
これが俺の仕事だ
「どこだ？」
「ここなんだけどな？」
「おまっ……そこは前も教えただろう！」
「わ、悪かった！そう怒るなよ！ジャ、ジャミル〜！」
ホンっとこいつは！
ーーーーー
「ウッコォン！Brrr……」
『……傍から見るとそのくしゃみやっぱ変だな。』
「でしょ！？やっと気づいたか！」
【イベントストーリー編ofスケアリーモンスターズ】忘れてた！→←『こんな事』なんかじゃない
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あんかけうどん(プロフ) - おぞうにさんさん» ありがとうございます！そのお言葉だけで報われます！これからもがんばります (2022年2月8日 0時) (
レス) id: c40c888944 (このIDを非表示/違反報告)
おぞうにさん(プロフ) - はじめまして、！！とっても面白くて、時間も忘れて一気に読んでしまいました、、！！これからも更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 0時) (レス) @page49 id: 7bfb9453e4 (このIDを非表示/違反報告)
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