悔しかった ページ41
「はぁっ……はぁっ……ジャミル先輩！」
「ん？」
マジカルシフト大会から数日後、僕はその日の放課後ジャミル先輩に声をかけた
「どうしたんだ？そんなに息を切らして……」
「僕と！1on1で勝負してください！」
「え……」
マジフト大会が終わった今、そろそろ期末テストの中割とルーズなバスケ部は人が少ない
そしてジャミル先輩のテスト勉強も邪魔しないように誘うなら今のタイミングしかない
「何を今更、いつも部活でやってるじゃないか。それにそろそろ期末テスト、君も勉強しないと……」
「今なら体育館に誰もいません。10分、いえ5分間だけでも構いません。後輩の我儘なのは十二分に承知しています。対価がいるなら僕にできる範囲で何でも支払います。だから……」
「わ、わかったわかった！何もそこまで言わせる気はなかったんだ。仕方ないな、10分だけだぞ。」
「はい！」
こうして僕らは体育館へ向かった
僕がここまでしてジャミル先輩に頼んだのには理由がある
話したい事があったからだ
これだけ聞けばただの立ち話で済ませばいいと思うだろうがそんな単純な問題じゃない
少なくとも僕の中では……
着替えを済ませ僕とジャミル先輩はコートに入った
「短時間だから1点先取でいいか？」
「はい。よろしくお願いします！」
「じゃあすぐに……手加減はなしだぞ。」
「上等です。寧ろそれが僕の望みですから。」
「……ハハ！君は本当に変わってるな！」
笑うジャミル先輩に僕はホッとする
よかった『素』のジャミル先輩だ
「先攻は譲るよ。いつでもこい。」
「では、お言葉に甘えて。」
僕は脇目掛けて走った
しかしそんな事は悟られており普通にガードされた
「どうした？大口叩いておいてそんなものか！？」
「まさか！まだまだです！」
ダムダムとバスケットボールが力強く弾む音が響き渡る
両者一歩も譲らずと言った感じで睨み合う
よし、今なら言える
「ジャミル先輩、僕は貴方が本気でぶつかる姿が好きです。心から憧れています。」
「！？何を急に……」
「だからこそ悔しかった！」
僕はジャミル先輩の包囲網を抜けてダンクシュートをかました
……今のはちょっとズルかったかな
「どうしょうもない事はわかってる。アジーム家に仕える身として遠慮しなくてはならない事も、その身分差を覆す事な出来ない事も……それがわかっているから余計にどうしようもなくて……本当の力を知っているだけあってあの時どうしようもなくやるせなくてわかっていても歯軋りせずにはいられなかった！」
ダァンっと打ち付けたボールの音が怒りを表す様に轟音を立てた
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あんかけうどん(プロフ) - おぞうにさんさん» ありがとうございます！そのお言葉だけで報われます！これからもがんばります (2022年2月8日 0時) (
レス) id: c40c888944 (このIDを非表示/違反報告)
おぞうにさん(プロフ) - はじめまして、！！とっても面白くて、時間も忘れて一気に読んでしまいました、、！！これからも更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 0時) (レス) @page49 id: 7bfb9453e4 (このIDを非表示/違反報告)
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