侵食（ジャックside ） ページ31
「っしょと。こいつも大きくなったんだな……」
ラドルをおぶりながら俺はそんな事を思った
マジフトでの活躍ぶり、その目覚ましい成長が俺は嬉しかった
ただ守られるだけの存在ではなくなったラドルは逞しく、気高く、輝いていて、カッコいい
疲れ果てて眠ってしまったラドルに俺は微笑む
ラドルから頼ってくれたのは初めてかもしれない
今までは俺が率先して守っていたから
そう思うと心許せる存在になれたのだと思えた
「全く……呑気に寝てやがる。」
クスッと笑いつつ俺はオクタヴィネルへ歩を進めた
その時だ
「おや、お主はあの時の犬っころ。」
目の前に黒とピンクが混ざった髪の少年の様な生徒が現れた
その人に俺は見覚えがあった
「！あぁ、あんたあの時いたディアソムニアの……」
確か騒動の中颯爽とネタバラシに現れたディアソムニアの一人だった筈だ
彼はクフフっと笑うと名乗った
「3年のリリア・ヴァンルージュじゃ！」
「っと、先輩でしたか。スンマセン。」
非礼を詫びながら俺は頭を下げた
エペルと同じ位だったからてっきり……
やっぱり身長で人を見ちゃいけねぇな
「よいよい。所で後ろに背負うとるのはラドルか？」
「あんたラドルを知ってるのか？」
「勿論じゃ！週に一度、早朝に色々と届けて貰うておる。中々手に入らない食材や薬の材料等此奴にはよう助けてもらっていてな。ま、今回は別件で伝えねばならない事があって来たんじゃが……眠っておるようだし日を改めた方が良さそうじゃな。」
そう言って踵を返そうとするリリア先輩
それを俺は呼び止めた
「待ってください！」
「おや？なんじゃ？」
「その……俺が後で伝えておきます。伝えなくてはならない事ってなんですか？」
単純に言伝しておこうという思いだけで俺は聞いた
だから、まさかあいつがそんな重要な事を隠してただなんて思っていなかったんだ
「ふむ、お主は誠実そうだし何よりそやつと仲も良さそうじゃな。『例の件』についても聞いているであろうし……頼もうかの。」
(例の件？)
思い当たらない言葉に頭にはてなを浮かれているとリリア先輩はクイッと指先を曲げた
するとラドルの胸から紫色の光る何かが飛び出した
「うわっ！？な、何だ？」
それは２色に別れていて一つは薄紫、もう一つは濃い紫色をしていて、濃い紫色の方が面積が多く、薄紫色の光を飲み込む様な形になっていた
「これはラドルの魂じゃ。奴は魂分離症でな、症状は二重人格に親しいがそれよりも恐ろしく、悪化すればいずれ自我を乗っ取られてしまうのじゃ。」
頭を殴打された様な衝撃に俺は言葉を失った
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あんかけうどん(プロフ) - おぞうにさんさん» ありがとうございます！そのお言葉だけで報われます！これからもがんばります (2022年2月8日 0時) (
レス) id: c40c888944 (このIDを非表示/違反報告)
おぞうにさん(プロフ) - はじめまして、！！とっても面白くて、時間も忘れて一気に読んでしまいました、、！！これからも更新頑張ってください！！ (2022年2月8日 0時) (レス) @page49 id: 7bfb9453e4 (このIDを非表示/違反報告)
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