丸呑み ページ46
「あれ、どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるかぁ!」
「首が消えたぁぁぁ!」
一斉に騒ぎ出す寮生達に僕は納得した
そりゃそうだ
急に首無しになったらビビるよね
「あの、これユニーク魔法で透明になってるだけでちゃんと首はついてます。ほら。」
そう言って僕が魔法を解くと先輩も寮生達もぽかんと口を開けた
「ほ、ホントに消えちゃったのかと思ったぞ!」
「あはは、驚かせてすみません。ほら、こんな色にもなれますよ。」
僕は一旦絨毯に寝そべって色を覚えるとそのまま立ち上がった
すると絨毯の模様だけが僕の体を彩った
「じゃーん。」
「おお!面白い魔法だな!」
「いやかなり凡庸性が高いな。暗殺者とかになったら手に終えるかどうか……」
「怖い事言わないでくださいよ。僕は調達屋の息子なのでそんな真似しませんよ。」
「冗談だよ。」
ジャミル先輩は笑っていた
目はマジだったけど
気にしたら駄目な気がする
「にしても何で食うときそうするんだ?」
「アハハ……お世辞にも綺麗な食べ方ではないので……というか軽く顔面崩壊してると思う。」
「と、言うと?」
「僕丸呑みなんですよね、食べ方が。」
「「え?」」
「ほぼ噛まないんです。いや、噛むには噛むんですけど本の少し噛んでまとめたらそのままごっくんスタイルというか……」
「死なないかそれ。」
「死なないんですよこれが。」
「……」
カリム寮長がとっても見たそうに目を輝かせている
そりゃ気になるだろう
でも
「見せませんよ。」
「え!?何でわかったんだ!?」
ガビーンとするカリム寮長に僕は苦笑いを浮かべる
見ていい気分になる顔はしてないからなぁ……
まぁでもやろうと思えばちびちび食べられるけどどうしても途中から空腹に負けて頬張ってしまう
だから僕は寮の食事は隅でとるし夜食は部屋で食べるのだ
「カリムはわかりやすい性格してるからな。」
「ジャミルまでー!」
「あはは……あ、でも面白い物は見せられますよ。」
僕は山になっているサラダに手を伸ばした
最近野菜不足な気もするし丁度いい
頭をまた魔法で透明にして器を抱える
「行きますよー。」
僕はサラダの入った器を逆さにした
そうするとまぁ中身が一気に出るわけだがそれを全て頬で包む
端から見れば溢れ落ちる筈のサラダが一瞬で消えたも同然だ
「「「え"ぇぇぇ!?」」」
全員目を見開いて驚いていた
僕はサラダをまるっと飲み込みまた顔を出す
「どうです?」
「スッゲェェェ!ど、どうなってるんだ!あんなに沢山あったサラダが一瞬で!」
カリム寮長は子供の様にはしゃいでいた
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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます!ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです! (2021年12月25日 16時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった、ランドールの魅力をこの小説で知れました、ありがとうございます! (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年12月16日 10時