ランドールの魂を宿した僕は転生者（twst男 not監督生）

プロローグ ページ2

「どうしてあなたは一番じゃないの！」

母から平手打ちとお決まりの言葉を受ける
これが僕の日常だった
片親の僕は母から何をするにも一番になるよう言われ続けていた
だから努力して血反吐を口から漏らす程のたうち回って結果に繋げようとした
でもいつだって僕は二位だった
どれもこれも二位
通常の親ならそれでも成績優秀と褒め称えるだろう
だがうちの場合、その二位と言う数字が、あと一歩と言う事が災いした
余計に母はイライラを募らせ、仕置きはどんどん過激にヒステリーになる
おまけにひたすらそういう事ばかりしているから周りからは除け者扱い
陰気野郎
成績狂い
ついた渾名は数知れず
僕の周りに人間はいないも同然
モンスターにさえ見えた
こんな現実が嫌で僕は母に隠れてアニメを見ていた
といってもこんな母なのでもう18にもなるのに全男子が見ているであろうあれやそれは勿論の事、漫画も何もスマホのブロック対象
流行にさえ乗れない
ただ子ども向けのアニメは見るこ事ができた
これが意外にも僕の心を癒していた
子ども向け、大衆向けと言われるアニメも大人から見た時違った見方が出来るのだ
特にこの海外のアニメ映画作品
子ども向けに明るい世界観で作られていながら中身を見ればかなり残酷な事が描かれていたりする
僕はそれに心を捕まれていた
ファンタジーなのに妙に現実的な世界
でもここよりずっとずっと天国に見える世界
せめてこんな世界に産まれていたら……
そんな不毛な妄想が現実逃避にはうってつけだった
特にお気に入りだったのはモンスターズ・インク
このランドールというキャラが大好きだった
陰湿だけど真面目で仕事はきちんとこなし向上心も抜群、しかし悪事に加担して最後は世界から追放されて別の場所でワニと間違えられてボコボコにされる
前作のユニバーシティーと重ねてみると、最初は納得いかなくて不貞腐れたが、よくよく考えれば勧善懲悪物なのだから仕方ないと考えを改めた
まぁ社長だけ罰せられるルートがあってもいいじゃないかとは思う
だってファンガスは現役だし
あいつだって加担してたんだからそれなりの罰は受けていいだろうに全く
まぁそんな現実逃避が終わればもう夜中の4時である

(あ"〜やだな……明日はテストが帰ってくるんだ。どうせまた二位、今度はどんなお仕置きがくるんだ……)

ムシャクシャして布団を被る
一番とかそんなのどうでもいい
僕は
……普通の学校生活が送れればそれでよかったのに
目頭が熱くなる
いや、よそう
寝ないと
こうして僕は地獄の明日に絶望しながら目を閉じた

が、その明日は遂ぞやってこなかった

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