フライング ページ32
『ぉい……起きろ……起きろこのまぬけ!』
「ぎぇあぁぁぁ!?」
心臓を握り潰されるような痛みに僕はのけ反った
「何!?敵襲!?トカゲ反対派の逆襲?それともハートの軍勢!?」
『どれも違う何寝ぼけてんだ!はぁ……先が思いやられる。』
ランドールは盛大にため息をついている
そうだ俺は棺に入れられてNRCに行く予定で……
『もうついてんぞ。ついでに音が聞こえない。もしかしたらとっくに全員外に出てるかもな。』
「何だって!?ヤバい急がないと!んぬ〜!重いぃ〜!」
急いで棺を押す
くっそ重たい
力いっぱい棺を押すとバタンと音をたてて棺の蓋がとれた
「よし!……ってあれ?」
辺りを見渡すと開いていない棺だらけだった
……もしかして
「出るの早すぎた?」
『〜♪』
途端ランドールは部が悪そうに口笛を吹き出した
この野郎
「口笛を吹くなぁ!」
僕はもうムシャクシャしてランドールの喉を掴んだ
『う、うるせぇな!誰だって間違いの一つや二つあるだろ!?』
「ふざけんじゃないよもう!どうすんのこれ!早く起きすぎちゃったじゃないか!ああどうしようこのまま扉が開かなかったら開くまでおやつのカップケーキで飢えを凌ぐ事になるぞ……」
『いいじゃねぇか別に。』
「NRCにはヴィルさんが入学してんだぞバレたら何言われるかわかったもんじゃないよ殺される!」
『わかったわかった!悪かったから揺するのやめろ!首が変な方向にまがっちまうだろ!』
ブンブン揺さぶればランドールは観念して謝った
にしても本当にどうしよう
外から鍵かかってるって聞くしどうすれば……
その時だ
「ふなぁ〜〜〜!」
「『は?』」
遠くで火柱が立ち上った
はい?
まさかの出たら焼き殺しコース?
トカゲの丸焼きなんて美味しくありませんやるならヤモリにして!
そんな的はずれな事を考えながら後ろを振り向くとずんぐりむっくりな猫魔獣が恐らく僕と同じ新入生であろう生徒を追い剥ぎしようとしていた
「……何あれ」
『俺がわかると思うか?』
僕らはあっけに取られてしまってその場に立ち尽くした
そうしていると気づけばその生徒がこちらに駆け寄ってきた
「た、助けてっ!」
「えぇ!?ちょ、そんな事急に言われても!や、その前に眼鏡!」
『はぁ!?まぬけが!コンタクトにしろって再三言っただろうが!』
「つけてる時間なんかないよ!こんな時の為にちゃーんと持ってきたんだから!」
『どんな時だってぉわお前それ紫の丸眼鏡とか嫌がらせだよ!』
僕は荷物から急いで眼鏡を出してかけた
よし、視界は確保された
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あんかけうどん(プロフ) - あんぱんさん» ありがとうございます! (9月14日 22時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - ランドール好きなのでうれしいです! 面白かったです! (9月14日 22時) (レス) @page28 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - 竜の騎士さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年12月10日 17時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士 - はじめまして。最初から読んでみましたが、とても面白くてすぐにハマりました!更新楽しみにしています! (2021年12月10日 13時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年11月25日 4時