白昼夢の羊 (ページ10)

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『それで、何かわかった？』

織山「あぁ、彼女の名前は篠宮A。年齢は18歳で高校3年。篠宮家の次女だ」

黒田「えー！俺らと同い年じゃん！合ってる？」

「は、はい…でも、自分の年齢は知らなかったです」

織山「そのせいで、俺達に情報が流れてこなかったんだと思う」

『どうしても、隠したかった存在ってこと？』

織山「そういうこと。流石皇輝くん」

この織山さんって人は、どうしてこんなに私のことを知っているのかな

その疑問が顔に出ていたのか、黒田さんが私の横でこそっと“おりは調べるのが大好きなの。人の情報なんてすぐ手に入るんだよ”と教えてくれた

『ありがとう、篠宮家の一員ってわかれば良いから』

織山「…皇輝くん、」

『ほら、織山も黒田も帰りな』

黒田「えー！まだAちゃんと話したい～！！」

『学生が何言ってんの。帰って勉強しなさい』

黒田「一歳しか変わんないのに！」

皇輝さんに帰れと促された2人は渋々、といった様子で腰をあげた

何かを言いたそうに振り返った織山さんが皇輝さんを見つめて、ぽつりと問いかける

織山「…後悔してない？」

『しない、するわけない。俺はあいつらを一生許せない』

織山「そっか…」

『大丈夫、織山を巻き込んだりしないから安心して』

織山「ん…これ、塗り薬。効くかわかんないけどAちゃんに塗ってあげて」

『ありがとう』

織山「…皇輝くん、ちゃんと向き合って後悔しない選択してね。俺は、いつでも力になるから」