彼は神の子悪魔の子 6章 (ページ18)

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(そりゃ毛細血管位切れるか。) ページ18

机の上の大量な食事が全て、細身の美しい青年の体に吸収されていく。
周りの客達も引きはじめている。
そんなAをヒソカはご機嫌そうに見つめていた。

ヒソ) A、美味しいかい？

A) ﾓｸﾞﾓｸﾞｺﾞｸﾝ …あぁ！ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Aは食べるのに忙しそうだった。
ヒソカはふと、Aの腕を見る。

ヒソ) それ、誰に手当してもらったんだい？

Aの腕は丁寧に包帯が巻かれていた。
否、腕だけではない、体の至る所に包帯が巻かれている。

ヒソ) 君は、自分じゃ出来なかっただろ？

ヒソカはハンター試験の時の、Aの不器用さを思い出す。Aは食べる手を止めずに、視線だけ腕に向けた。

A) ｺﾞｸﾝ …確かに、誰がやったんだろーな？
俺、昨日は多分ヒソカにあった後誰ともあってないぜ？…つっても、ちょっと記憶曖昧だけど。

そして、また食べ始める。

ヒソ) あの状態でも自我はあるんだ♣

A) ｺﾞｸﾝ自我ってか、後から記憶だけ断片的にある感じ。つっても、操られてるとかそういう感じはねーんだけどさ。

ヒソ) へぇ♡…じゃあ、もしかして、もう1人のAが器用に傷を手当してくれたのかな♠

A) なっ、なら、俺も出来るはずだろ！！同じ俺なんだから！

ヒソ) …そうかもしれないね♦

ヒソカは少し考えてからまた続ける。

ヒソ) (…同じAだけど、昨日の"A"には僅かに違うものを感じた♧そう、他の誰かの力が加えられているような…)…でも、昨日の君はボクの知らない君だった♠

A) ﾓｸﾞ …え？

ヒソ) また新しい一面を知れて良かったよ、A♡

ヒソカは、不思議そうにしながらそれでも食べ続けるAをﾆｯｺﾘと見つめた。
_
A) 何だよ、俺もゴンの試合見たいのに！！

Aは1人、部屋で不貞腐れていた。
というのも、ヒソカに、いつもは全く使わない師匠という権利を行使され、Aは自分の体を休める事を強制させられたのだ。
当のヒソカはもちろん、ゴンの試合を見に行って不在だ。

A) ったくよ！！ﾎﾞﾌｯ

Aは不貞腐れながらも素直にヒソカの言うことを聞き、ベッドにダイブする。
体に鈍い痛みが走る。

A) …さっきは腹減りすぎて感じなかったけど。。確かに色んなとこ怪我してんなぁ…。。
(そーいや、あの花何本か引き抜いたんだっけ…w
力任せに引っ張ったからなぁー。。そりゃ毛細血管位切れるか。)

Aは包帯だらけの自身の体の傷を確認していく。