行ってくる! ページ45
イルミはAの方を向いて口を開いた。
イル) A、電話、キルから?
Aも行くんでしょ?ハンター試験。
Aはさっきのイルミはどこへ行ったのかと思うくらい普通に話しかけてくるイルミの態度に、戸惑った。そして、携帯画面を確認すると案の定キルアだった。
ピッ
A) もしもs((キル) 出んのおっせーよ!バカ!心配すっだろ!!お前今どこ居んの?!
Aはチラリとイルミを見やる。イルミは全く興味無いかのようにミケを撫でている。
A) …あ、あぁ、悪い!ちょっと寝ててな!
すぐ向かう!待ってろ。
ピッ
Aは素早く電話を切ってイルミに向き直った。
イル) ね、キルのとこ行くんでしょ?
A) キルアのこと止めないのか?
イル) 俺が?キルを?何で?今後の仕事にも必要だしハンターライセンスをとっても損はしないよ。
…でも、まぁ、大事な弟だし。死ぬことは無いと思うけど、ちょっと心配だからA、キルのことよろしくね。
Aは意外すぎる頼みに驚き、目を見開いた。
A) なんで、そんなことを俺に…?
イルミは自分で行かないのか?
イル) 俺、仕事あるから。
それに、俺が今キルを連れ戻しに行ったらAが止めるんでしょ?
…俺、Aに嫌われたくないもん。
A) は?
Aは、自分の目の前の男は決して人の好き嫌いを気にしない性格だと思っていた。
しかし、今イルミは確かに嫌われたくない。そう言ったのだ。
A) イルミ、お前は案外、いや、やっぱ良い奴なんだな!俺も、友だちに嫌われたくないし!
同じだな。そういって笑いかけてくるAの顔を見てイルミは自身の思いが伝わらないもどかしさに胸の痛みを感じた。
イル) まぁ、今はそれでもいいよ。
イルミはAに聞こえるか聞こえないかの大きさでそう呟いた。
A) ? まぁ、じゃあ、任されたぞ!
依頼通り、キルアを守る!
イル) うん。でも、1番は自分優先ね。
キルにもいつもそう言ってるから、自分の身ぐらい自分で守れると思うし。
A) おお!さすが、長男の座は伊達じゃないな!
イル) …バカにしてる?
A) いや、全然!
むしろ、純粋に尊敬してる。
イルミのそういうとこ、俺好きだぞ!
イルミは少し驚いてから
イル) 俺は、お前のそーゆーとこ嫌い。
そう言って少し目を逸らした。
A) …じゃあ、行ってくる!
イル) ん、またね。
Aは元気よく街へ向かっていった。
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作者名:シロ | 作成日時:2019年11月3日 22時