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デビュー日までいよいよ残り10日に迫り、明日からは学生組も地元に帰らず 東京で最後の追い込みとプロモーション収録でギチギチのスケジュールをこなしていく。
午後から始まる今日の練習は、明後日収録予定のTVパフォーマンスのリハーサルも兼ねていた。つるとんたんで たらふくうどんを食べてきた私達は、スタジオの下で偶然レオくんとジュノンくんに合流した。
「あれっ?ミヅキ?マナトといたの?」
「んー、どうしたの?」
「俺達 午前中シュントとリュウヘイとご飯行ったんよ。ミヅキがどこ行ったか知らんって言ってたから珍しいなーって思って」
「ああ、うん。2人は?」
「一回96ブラハウス帰ったよ」
レオくんの言葉に そっか、と息を吐く。
まだ朝早い時間に2人を起こさないようにそっと家を出てきたから、そんなふうに言われるのも仕方ない。
(なんで言い訳しようかなぁ)と思案する私に、マナトくんが「ポケGOのレイド散歩してた」ってサラッと誤魔化した。
「……、そう、ポケGO」
「ああ!」
スタジオに上がるエレベーターのボタンを押すレオくんの横顔をチラリと見て、(ごめん)と心の中で呟いた。
まあ完全に嘘ではないんだ。
つるとんたんからここまで、レイドを探しながら歩いてきたのは間違いないから。
「おはようございまーす」
スタジオ入ってきた私達を、数名のスタッフさんが笑顔で迎え入れた。中にはモモヨさんもいて、心配そうな表情と目があったから ニッコリと口角を上げて頷いた。
「弟達とラジオ組はいつ到着なのかしら」
レオくんがスマホ片手に言う。
シュントとリュウヘイは時期に来るだろう。
それよりリョウキくん、ソウタくんの2人でラジオなんて……話が盛り上がり過ぎて時間が押しちゃってるなんてことないだろうか。
十分ありそうだ。
「向こうまだ収録終わってなくて、あと1時間はかかりそうでーす」
こちらの会話を拾ったスタッフさんから一言。
「ほらやっぱり」
「え?」
「あの2人やろ。喋り倒してる絶対」
「間違いないね」
ジュノンくんが うんうんと頷いた。
でも想像してみると、私たちは誰が2人になっても喋り倒して止まらなそうだ。
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befirst(プロフ) - あらしのよるに大好きすぎてなんっっかいも読み返しています!! (11月27日 20時) (レス) id: 73aa1688da (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - masayo_8さん» 書き手の私、超無意識に寿司桶空っぽにしておりました!たしかに、変わらず食欲旺盛で可愛い笑 おばあちゃんもおばさんも、きっとママから旦那がどんな人なのかは聞いていなかったんですよね…まさに神(読み手)のみぞ知る事実なのです、悔しいことに。 (5月17日 22時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
masayo_8(プロフ) - なかなかの内容なのに、きっちり寿司桶を空っぽにするモンさんを、愛してやまないっ(◕દ◕)そういえば、おばあちゃんも、おばさんも、生きてるとは言ってなかったなぁと、解説を見て思いました!天才っ!! (5月17日 15時) (レス) @page50 id: be11c96dd8 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - まおさん» まおさんありがとうございます♡登場人物の気持ちが大きくなればなるほど、描写を書いては消して……この人こんなこと言わんよな、もっとらしい言葉はないかなと考えながら書いているので、そう言ってもらえて嬉しいです。 (5月16日 11時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - とんトンさん» ネタバレ私は大歓迎ですよー♡笑 わー、見てくれてるって嬉しくなりますしね!リルアワとのリンクも楽しんでいただければ! (5月16日 11時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2023年4月7日 23時