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「母さんがめちゃくちゃミヅキのこと気に入って、俺が受験したときのと同じ神社で買ってきたんだよね」
「えーほんまに。嬉しい……」
「祈祷？されてるらしいよ」
顔だけ振り向いてAと話すジュノンくんの隣の座席から「俺の家族も『ミヅキちゃんに会わせろ』って凄い言う」と、リュウヘイの声がした。
「ははっ、リュウちゃんのは 彼女だと思われてんじゃねーの」
とか言ってるソウタくんは、そういうことは特にないらしい。ただ妹さんがよくAのことを話題に出してくるんだそうだ。“格好いい”だなんだって……そういや俺の家でも、特に妹がAに会いたがっている。
「君たち半同棲してるしね」
「馬鹿じゃねーの」
リョウキくんが変な風に言うから、思わず笑い声と共に強めに突っ込んだ。
俺ら3人なのに同棲とか。
「はははっ」と笑いながらAをチラリと見たら、お守りを手に握り締めたまま表情が固まっていた。
(……？)
一見笑っているようにもみえるそれは、俺にはどうにも思い詰めている横顔に見えて仕方ない。
「ジュノンくんのママさん優しいなぁ」
目尻を下げた笑顔でゆったりとAが言えば、「気に入った相手には良くする人だから」と、手に持っていた端末を指でタップしたジュノンくん。え、そこでまたMV再生すんの？タイミングやば……。
「…………」
ジュノンくんのマイペースに呑まれて、“この話は終わり”とばかりにまたみんなMVに夢中になる。
そんな中、俺は本人にバレないようにジッとAに視線をやっていた。逃がさないぞ。と、そんな念を込めて。
Aが思い悩むとき、何も言わずに人と距離を取ろうとする。
そっと俺の視界から居なくなろうとする。
それを意地でも繋ぎ止めて、しつこいくらいそばに居た時やっと、こいつは本音を話し始めるのだ。
Aは自分でも自覚してないだろうけど
昔から変わらない、こいつの本当に面倒な癖だった。
そして最近またAが何かに悩んでいる。
些細な変化に気付く俺もどうかしてるけど、あの日のAは明らかに変だった。
＊
96ブラハウスでの生活も慣れてきた頃。
Aは1人、日高さんに呼び出されていた。
「日高さんと何話した？」
そう聞いてもだんまりなA。
安易に話したくねーこと言われたんだ、と思って俺も強く聞き出すことはしない。その代わりAが自分の近くに寄ってくるように仕向けて、その頬を掴んで触る。
その扱いに不満を垂れていたから「存在確かめてんだよ」と言えば、今まで嫌がってたAは面白いくらいに大人しくなった。
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befirst(プロフ) - あらしのよるに大好きすぎてなんっっかいも読み返しています！！ (11月27日 20時) (
レス) id: 73aa1688da (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - masayo_8さん» 書き手の私、超無意識に寿司桶空っぽにしておりました！たしかに、変わらず食欲旺盛で可愛い笑 おばあちゃんもおばさんも、きっとママから旦那がどんな人なのかは聞いていなかったんですよね…まさに神(読み手)のみぞ知る事実なのです、悔しいことに。 (5月17日 22時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
masayo_8(プロフ) - なかなかの内容なのに、きっちり寿司桶を空っぽにするモンさんを、愛してやまないっ(◕દ◕)そういえば、おばあちゃんも、おばさんも、生きてるとは言ってなかったなぁと、解説を見て思いました！天才っ！！ (5月17日 15時) (レス) @page50 id: be11c96dd8 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - まおさん» まおさんありがとうございます♡登場人物の気持ちが大きくなればなるほど、描写を書いては消して……この人こんなこと言わんよな、もっとらしい言葉はないかなと考えながら書いているので、そう言ってもらえて嬉しいです。 (5月16日 11時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - とんトンさん» ネタバレ私は大歓迎ですよー♡笑 わー、見てくれてるって嬉しくなりますしね！リルアワとのリンクも楽しんでいただければ！ (5月16日 11時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2023年4月7日 23時
